ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「スライムってさ」

神姫「まだスライムの話する?」

悠「99レベルあったら一匹で日本を制圧できるかな」

摩耶「99でしゃくねつだっけ?」

サタン「別に炎ぐらい吐けたってどうとでもなるのだ。」

【タンザナイト】

千世子「1967年タンザニアのアルーシャ地区でルビーを探していたマニュエル・ト・スーザ―により、それまで発掘されていた不透明のピンク色や緑色とはまったく別種の青色のゾイサイト(ゆうれん石)が発見されたのだ。当初はサファイアと勘違いされたようですが、すぐに別の鉱物であるゾイサイトと鑑定されたのだ。」

悠「真桜と人間を一緒にするんじゃねぇ~~♪」

サタン「なんかイラッとしたのだ」

摩耶「急に歌うよ」

悠「で、味方にバフをかける」

神姫「デバフでしょ」

千世子「それまで宝石として使える原石の発見がなく、美しい青色をしていたため、アメリカ・ティファニー社によって産出国タンザニアの夕暮れの空の色と例えられたタンザナイトという名称が付けられたのだ。具体的にはゾンサイトの中でも青色のものを指し、正式名称は「ブルーゾイサイト」というのだ。」

悠「デバフだったとしても敵にかければいいってことさ」

摩耶「でも、歌って時点で無差別にかかりそうだよね。」

悠「それは一理あるけどな。ジャイアンの歌声なんて全体ダメージだし」

亘理『その例えってどうなの?』

悠「音響兵器だから」

千世子「タンザナイトは宝石の中でもかなり傷つきやすい部類に入るのだ。発見当初は加熱処理を行わない状態でも美しいタンザナイトとなる原石が得られましたが、現在ではほぼ100パーセントの比率で加熱処理されていて、非加熱の宝石を探すことは困難となったのだ。」

摩耶「うるさいのって嫌だよね。」

悠「イラつく羽音……混乱……うっ、頭が」

サタン「なんかダメージ受けてるのがいるのだ」

神姫「無視していいわよ」

悠「もう少し、構って構って」

千世子「タンザナイトは、その名が示す通り、キリマンジャロの夕暮れ時の空を反映したような美しい青紫色をしているのだ。自然光の下では透明感に満ちた美しい群青色に、夜のライトの下では高貴な紫色に輝くのだ。また、同時に青と紫を有したり、紫と赤を有することもある多色性が特徴なのだ。美しい群青色の中にちらちらと紫が光っている様は、とても幻想的なのだ。」

亘理『かまってちゃんかな?』

悠「あぁん?」

亘理『なんで怒ったの?!』

悠「なんとなく」

亘理『……』

摩耶「殴っていいんだよ?」

悠「やーめーてーよー」

千世子「古代ケルト民族の間では「霊力を授ける魔法の石」としてあがめられ、特別な儀式に用いられたり、首長の装飾品として使用されていたのだ。神の啓示、永遠性、先人の英知を示して意識を高めるためには、最適の鉱物とされているのだ。正しい判断を下す能力、落ち着きと思慮深い思考で物事を成功に導く力があるといわれているのだ。古くは眼にかかわる病気の治療や体内の毒素を排除する力、身体を強化する力があると伝えられ、産出国アフリカでは、長期の不幸から脱するパワーを持つ石、風水では財運を上げる力を持っているとされているのだ。以上、タンザナイトのじゅぎょーだったのだ。」
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