ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「春まだ?」

千世子「はる?」

悠「春。英語でいうとspring」

神姫「最近は陽気なもんでしょ」

悠「よっ、ご陽気者!」

神姫「……」
ガシッ
悠「胸ぐら掴まれた、たちけて、たちけて…」

摩耶「素直に一発やられたらそれで終わりだよ?抵抗すると余計につらいよ?」

悠「蝶野のビンタかな?」

神姫「……」
パァン!
悠「んぎぃっー!」

千世子「綺麗に首がグリンってなったのだ。」

悠「い、生きてる、わたし生きてる…。」

亘理『右頬がヤバいほど腫れてるんだけど』

悠「名誉の負傷」

千世子「名誉はどこなのだ?」

悠「心で感じろ」

千世子「なにも感じないのだ」

悠「もっと集中しろ!丹田に氣を込めろ!コンセントレイトだ!夢幻舞踏だ!先行入力だ!わんこそばだ!」

神姫「なんでもいえばいいってもんじゃないから」

悠「ですよねぇ~」

サタン「露骨に下手に出てるのだ。」

悠「左頬も腫れたくないじゃん。平気な振りしてるけど泣きそうなのをめっちゃ我慢してるぐらいには右頬痛いからな。」

摩耶「じゃあ、もう一発右に」

悠「なにその大味な弐撃決殺」

サタン「一撃必殺のがいいのだ?」

悠「一撃必殺はロマンではある。だけど、ザラキ連発して外しまくる神官はNG。おまえのことやぞクリフト」

神姫「効く相手にばら撒くのはともかくボス相手(完全耐性)に使う方がイラッとするけどね。」

悠「むかしのCPUはホントダメですねぇ」

摩耶「まぁ、今のゲームでも棒立ち、意味不明行動、その場待機するCPUもいるけどね。」

悠「いっそひとりで戦う方がストレス減あるある。」

摩耶「でも、やたら高性能でも経験値泥棒されたりするのは嫌でしょ?」

悠「アイテム回収するまえに勝手にクリア達成されるのもムカつく。」

神姫「特定の場所まで護衛しろ系ミッションでトロトロ歩く、一定距離はなれると立ち止まる、わざわざ遠回りするようなルートに移動する、敵が見えてるのに突っこむ」

悠「ああ、お腹のワタがムカムカしてくるんじゃ~」

摩耶「さらにタイムしだいでアイテムが手に入ったり、コースがいの離れたところにレアアイテム配備」

悠「割ろう。そんな悪い文化のゲームは割ってしまえ!!」

千世子「ご立腹なのだ。」
32/100ページ
スキ