ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「メタルスライムとかってなんで経験値豊富なんだろうな」

摩耶「メタルだからじゃない?」

悠「でも、メタルライダーって経験値低いじゃん。メタルスライム+なんかが乗ってるのに」

亘理『何か?!』

悠「なんか」

【アンバー(琥珀)】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。アンバーは、第三世紀時代の松伯科植物の樹液が化石化したもので、地中から採取される有機物の鉱物なのだ。そのため「湿った宝石」とも呼ばれているのだ。」

悠「ソフト&ウェット。柔らかく湿っている……。」

摩耶「メタルライダーの話は?」

悠「アイツは置いてきた、この戦いにはついてこれない。」

亘理『なんの話!?』

悠「チャオズの話」

千世子「色は黄色が主ですが、赤色、褐色、白色、帯青黄色とさまざまな色があるのだ。比重がとても低く、海水などに簡単に浮いてしまうことから、沈んでしまう模造品とは簡単に判別することができるのだ。」

悠「メタルライダーといえば素早さも硬さも激減してるから、やっぱり乗ってるアレが邪魔なんだろうな」

亘理『ライダー君の扱い可哀想』

摩耶「スライムナイトはしっかり強くなれたのにね。」

悠「あれは強くなりすぎてる。仲間になってからのピエール無双、たまんねぇぜ。」

神姫「つまりメタルに載ってるライダーは弱くて、スライムに乗ってるナイトは強いと」

千世子「樹液が化石化したものなので「インクルージョン」としてその時代の空気、小さな昆虫、植物の破片などが閉じ込められたものがあり、宝石として取り扱われるだけでなく、地質学や生物学的にも貴重な資料でもあるのだ。」

悠「騎手としての実力が足りてないんだろうな」

神姫「逆にメタルライダーが強かったとして」

悠「強かったとして?」

神姫「経験値がそこそこだったらどうなの?」

悠「クズに磨きがかかったことになるな。強いならせめて経験値寄越せってことで」

千世子「内部に昆虫や植物を含んだものは、さらなるパワーを秘めるといわれ、旧石器時代から装飾品や治療薬として利用、古代エジプト、ギリシャ、ローマでは祈祷師が儀式を行う際の「神聖なお守り」として崇められたのだ。東洋では焼いた琥珀を伝染病の予防薬として用い、中国ではお香としていたと伝えられているのだ。深く暖かな色合いから、昂った感情を沈めて精神を安定させたり、甲状腺やのどの病気にも聞き、内分泌のバランスを整え流産を防止する働きがあるともされているのだ。心理面でも、アンバーの明るい波動によって精神的に落ち着き、安定した気持ちになるようなのだ。また、陰陽のエネルギーの調和効果もあるので、人間関係の改善や仲たがいした恋人同士の仲直りにも適しているとされているのだ。」

摩耶「わがままだなぁ。」

悠「わがままじゃなければ勇者行為なんてやってられない」

亘理『勇者行為って何?』

悠「他人の家に入って壺やタンス時には宝箱を勝手に開けて中の物をかっさらっていく」

亘理『強盗…』

千世子「アンバーの多くの神話の中には、こんな話があるのだ。ギリシャ神話の太陽であるフォイボスの息子ファエトンが地球を救うために木星とぶつかり死にました。彼の母親と姉妹は深い悲しみで木となり、彼を嘆き悲しんで泣きました。その涙は太陽によって乾かされアンバーとなりました。ギリシャ人はアンバーを「エレクトロン」または「太陽が作ったもの」と呼びましたが、これはこの物語の影響があるのかもしれないのだ。以上、アンバーのじゅぎょーだったのだ。」
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