ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「雪降ってるじゃない!寒いと思ったわー。」

摩耶「大丈夫?脳とか」

悠「あんまり……だいじょばない……」

亘理『悠ちゃんが寒さと雪でおかしくなってる…。』

神姫「おかしいのは常時でしょ」

【ラピスラズリ】

千世子「「ラピスラズリ」は「ラズライト(天藍石)」という鉱物を中心に、数種類の成分が集まってできたものなのだ。和名は「瑠璃」。いわゆる「瑠璃色」と称される、深い青色~藍色をしており、その中に、白色の方解石や、金色の黄鉄鉱の小さな粒が、夜空の星のように撒き散らされているのだ。」

悠「今ならお湯一リットル飲めそう…」

亘理『なんでお湯!?』

摩耶「温かいからじゃないかな」

悠「できれば女の子がの入浴した後のお湯……」

神姫「液体窒素でも飲めばいいのに」

千世子「有名かつ最古の産地は、東南アジアのアフガニスタン。その他には、アルゼンチン、チリ、アメリカなどで産出しているのだ。宝石としての起源は非常に古いものなのだ。例えば古代エジプトでは、王や神官が見につける神聖な石であり、また「死」を司る石でもあったのだ。有名なツタンカーメン王の黄金マスクや棺などには、装飾にラピスラズリが用いられているのだ。」

悠「飲ぉ~めないよ、んふっふっ」

神姫「イラッ」

サタン「醤油ならあるのだ。」

悠「どうしろと?」

サタン「飲んだら温かくなるかもしれないのだ。」

千世子「また、当時「サファイア」とされていた青い石は、実はラピスラズリであったのでは、と考えられているのだ。仏教の世界においても、古瀬暗く世界を飾る七宝(無量寿経では、金、銀、瑠璃、玻璃、シャコ貝、珊瑚、瑪瑙)のひとつにあげられているのだ。日本の奈良・東大寺正倉院にも、「紺玉帯」というラピスラズリで装飾されたベルトをはじめ、ラピスラズリから用いられた宝物(御物)が、いくつも収蔵されているのだ。」

悠「醤油飲んだら死ぬからな」

サタン「死なない程度に飲めばいいのだ。」

悠「死なない程度にしても飲む物じゃないから」

摩耶「心臓は爆発するほど早く動くだろうけどね。」

悠「血圧が上がってるだけだからな」

千世子「これらは現在までもラピスラズリの主要な産地であるアフガニスタンから、シルクロード経由で中国に入り、遠く日本までわたってきたものなのだ。鉱石としては、モース硬度でいう5.5と、とても柔らかく、宝石というよりも、「貴石」に」属するものとされるのだ。この柔らかさを利用して、、彫刻や様々な細工物の素材として使われているほか、粉末にしたものを顔良(絵具)として使うのだ。絵具の色名としては「ウルトラマリンブルー」とよばれるのが、ラピスラズリを原料としたものなのだ。ラピスラズリは、持ち主の身を守り、幸運を招く石なのだ。嫉妬や邪念など、心の暗い思念を払い、物事を的確に判断する力や洞察力をつけてくれるともいわれてるのだ。以上、ラピスラズリのじゅぎょーだったのだ。」
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