ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ヤバい超寒波がきてるってニュースでやってたんだけど、おれ死んじゃわないかな?」

摩耶「どだろねー」

悠「わー、興味なしだわ」

神姫「最近だと室内でも凍死するらしいわよ。」

悠「ひぇっ」

千世子「宝飾店などで、綺麗に磨かれたターコイズを見ていると「これ、プラスチック製じゃないの?」などと、不謹慎なことを思ってしまうことがあるのだ。」

亘理『室内で凍死ってどういうこと?ビバゴンでも居たの?』

悠「それだと多分死因は凍死じゃなくて潰されるとかだろ」

摩耶「ゴリラみたいなもんが部屋にいるとか……あれ、何だろう平気な気がする。」

悠「金剛で慣れてるからだろ」

千世子「まず、磨かれたターコイズの輝き方が蝋状で、有機物的な温かみを持っていることが、そんな印象を持たせる原因のひとつなのだ。それは上質なターコイズが、それほどまでにきめ細かく、美しい物であることの証明に他ならないわけですが、実際ターコイズは、様々な方法でイミテーションが作られており、その点でも、歴史の古い宝石と言えるものなのだ。」

神姫「金剛さんに失礼とかではないの、それ」

悠「大丈夫だ。問題ない。」

摩耶「悠君は失礼だなぁ。」

悠「まさかの裏切り…」

亘理『あの、室内で凍死の原因は…』

千世子「もっとも古いのは、やきものです。石英質の多い土器をガラス質で覆った施釉陶器で、ターコイズの色に似せた指輪や護符、首飾りのパーツなどが作られたのだ。古代エジプトの古墳遺跡などから、こういったものが数多く発見されているのだ。」

悠「10℃以下の寒い部屋で寝ていた場合、呼吸によって内臓が直接冷やされ、体温が35℃台まで低下して凍死するからくりだ。」

摩耶「布団に入ってても起こるらしいよ」

亘理『こっわ!』

悠「冷気をなめるなっ!奴らは殺しにかかってくるぞ!」

サタン「熱気は平気なのだ?」
ジリジリッ

千世子「現在では、天然ターコイズの粉末を、プラスチックで寄せ固められたものが作られ「再生トルコ石」ともいわれるのだ。また、ターコイズよりずっと軽く脆い鉱物であるハウライトや石灰石を着色したものもありますし、染色する素材に、瑪瑙(カルセドニー)などの貴石を使ったものもあるのだ。」

悠「サウナ程度ならいいがお前が放ってるのは邪王炎殺黒龍波レベルだから別もんだからな」

摩耶「サウナでも死人出てるけどね」

神姫「限界まではいるものじゃないからね、普通ああいうのは。」

悠「でも、熱気むんむんで汗かきたいじゃない」

摩耶「サウナに閉じ込められたらいいのに」

千世子「このほか、ガラスの陶磁器を使ったものや、様々な工業的手法で作られた、合成ターコイズがあるのだ。もっとも安直なフェイク品は、プラスチック樹脂に色を付けたものですが、これはとても成功に作られているものが多く、素人にはなかなか判別が難しいのだ。」

悠「干からびちゃーう!」

神姫「チッ」

悠「……寒いのも熱いのも度が過ぎると辛いんだよ。わかったか!亘理!」

亘理『私!?』

悠「おう!わかったら反省しろ!乳揉ませろ!」

サタン「なにいってんだこいつなのだ。」

千世子「イミテーションとわかっていて、相応の値段で求めることはファッションの一部ですが、もし、ターコイズの宝飾品で大きな買い物をしようと思うなら、信用のあるお店を探すことも必要なことと言えるのだ。また、ターコイズは柔らかく脆いため、それを保護する処理として、蝋や樹脂に浸すことがあるのだ。これにょって表面を保護し、ひびや傷を埋め、そのターコイズをより美しく見せるのだ。以上、ターコイズのじゅぎょーだったのだ。」
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