ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

冥「はい、一反木綿の細切り鍋ですナ。」

コトコト

悠「一見すると、うどんすきにしか見えない。」

摩耶「いただきます。」

悠「おお、躊躇がない」

摩耶「……」
スッ【鳥肉団子】
スッ【ほうれん草】
スッ【お豆腐】
スッ【春菊】

悠「はい、一反木綿スルー!」

摩耶「お前が先に食えよ。食いたい言いだしたのはおどれやろが。」

悠「……ごめんね?」

摩耶「いいんだよぉー」

千世子「一瞬、摩耶君が闇落ちしてたのだ。」

神姫「悠にはそういう態度でいった方がイイのよ。」

悠「やさしくしてぇー、やさしくしてぇー。」

サタン「早く食べるのだ。」

悠「ふーふー、ちゅるる……あっ、おいしい。」

冥「質のいい一反木綿ですから、当然ですナ。」

悠「これ、スゴイわ。ツルツルなのに噛んだらプップッ切れるし、のど越しがいい。チュルルルン!」

摩耶「じゃあ、僕も食べよう」

千世子「千世子もなのだ」

神姫「私も」

悠「なんか納得いかない」

亘理『悠ちゃん、悠ちゃん、あーん』

悠「鍋ものでおれにあーんを求めるとは勇気あるな」
ピトッ
亘理『あつーーい!なにすんのさっ!』

悠「囁いたんだ……おれの中のゴーストが豆腐を当てろと……。」

亘理『ガブッ!』

摩耶「その代償は高くついてない?」

亘理『ガジガジ』
悠「効かん!効かんぞぉ!」
ダラッ

神姫「鍋の中に血を落としたらぶっ叩くから」

悠「ふんっぬ!ちゅる、るる……。」
ググッ!

サタン「上半身を逸らしながら麺啜ってるのだ。」

千世子「あんちんは普通にしてられないのだ?」

亘理『ガジガジ』
悠「おれの普通はこれだ」

サタン「頭齧られるのが普通なのだ?」

悠「いや、これは違うな。そろそろもう一度豆腐を押し付けるぞ!」

亘理『食べさせてよ!』

神姫「押し付けるのも間違ってるけど、自分で食べなさいよ」

亘理『はい…』

千世子「素直なのだ」

悠「恐怖には屈するもの」

神姫「誰の何が怖いのかしら」

悠「一反木綿おいちぃなぁ、ちゅるるっ」
ガタガタ

摩耶「めっちゃ震えてるけど」

悠「恐怖に屈しない!屈しない!」

神姫「……」
ヒュッ、べチャっ!
悠「あっち、あっぢぃぃ!」

神姫「手が滑ったわ」

摩耶「葱は熱い」
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