ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「身体に何の影響もなく美味しいんなら食ってみたいな。妖怪。」

累「腕でも齧ってたら?」

悠「人肉が食いたいわけじゃないしオートファジー(自食)したいわけでもない。」

リリス「人?」

累「妖怪人間的な意味でしょ」

悠「よーし、悪魔小娘ども表出ろ。いっぺん本気で泣かしてやる。そんでもって吊るしてやる。」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。すっきりとした色のターコイズと、渋い色合いの銀の組み合わせが、男女問わずに人気のインディアンジュエリーは、ネイティブアメリカンのホピ族やナバホ族などのひと達が作りだした、素晴らしく芸術的な工芸品なのだ。」

摩耶「悠君、落ち着いて。なんやかんやあって結局悠くんが吊るされるヴィジョンが見える」

悠「バカやろ、おれは負けねーぞ!おれは!」

摩耶「負けフラグ」

悠「イクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!」

神姫「うるさい」

悠「はい…。」

千世子「彼らはターコイズをとても神聖な宝石としており、部族や家族ごとに特徴あるジュエリーを作り身につける習慣があるのだ。」

亘理『妖怪が食べたいんなら。食べられるのを捕まえてくればいいんじゃないかな?』

悠「そうだな。後で行こう」

摩耶「あてあるの?」

悠「Bプランだ」

サタン「Bプランってなんなのだ?」

悠「んなもんねぇよ」

千世子「ネイティブアメリカンの人々と、ターコイズの特別な結びつきを示すものに、「トルコ石の乙女(ターコイズ・ウーマン)の神話があるのだ。ナバホ族の人々の伝説では、「トルコ石の乙女」は彼らにとっての祖先神である「最初の男」と「最初の女」が、ナバホ族の土地に始めてやってきた時に見つけた、赤ん坊くらいの大きさのターコイズから生まれたとするのだ。」

サタン「……」
ゴリッゴリッ
悠「イタイイタイ、角で抉ってくるのやめて。ディアブロスのトラウマがよみがえる」

摩耶「悠君はトラウマだらけだね」

神姫「トラウマがトラウマとして息してないけどね。」

悠「んなことなぁーい」

千世子「この乙女はすぐに大人の女性に成長し、太陽と結婚するのだ。そして、世界の西の果て、天地の境にあるターコイズの宮殿に住み、天を巡り、大地を照らし終えた太陽を迎えるのだというのだ。」

神姫「……」
ゴッ、ゴッ
悠「足を……踏み続けられている!」

サタン「次は何のトラウマが出てくるのだ!」

悠「ワクワクしてんじゃねぇ。しいていうなら、ボス系の踏みつけとかかな。あれ見切りないし」

摩耶「盾も効かないしね。」

千世子「また、太陽の妻であると同時に、小麦やトウモロコシなどの穀物を盗み出し、現在の人類を生み出したのも、彼女であると考えられているのだ。つまりナバホの人々にとっての、大地母神としての存在が、ターコイズ・ウーマンなのだ。ナバホ族以外の人々にとっても、ターコイズは神話にかかわる重要な宝石であり、それほどに、神聖な存在であると言えるのだ。言うまでもないですが、アメリカの西南部の乾燥地域には、ターコイズの主要な産出地のひとつだったのだ。」

神姫「まぁ、ドラゴンルーラーやダンターグに踏みつけられて盾で出してもね。」

悠「そのまま潰れる」

累「トマト潰したみたいになるといい」

リリス「圧殺祭り」

千世子「残念ながら、最近はその採掘量は減少しており、インディアンジュエリーの素材となる石も、多くは中国などからの輸入品が多くなっているということなのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
25/100ページ
スキ