ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「で、妖怪ってぶっちゃけ食べられるの?」

冥「なんで私に聞くんですナ?」

悠「管理人ちゃんは料理とか好きだし知ってるかなって。亘理に聞くのは全く見当違いだし」

亘理『なんで?』

悠「……」

亘理『なーんーでーー!』

悠「おれの口から酷いことを言わせたいのか?」

亘理『酷いこと言われるの!?』

累「そらそーだろ」

リリス「料理と呪術は違うって所から学びなよ」

亘理『うわーん!』

千世子「ど、ドンマイなのだ」

神姫「子供に気を使わせるのはやめなさいよ」

冥「それはさておき、食べるのは義鷹みたいに文字通り喰らうって意味でなく。食材としての意味ですかナ。」

悠「そういう意味なのですにゃワン」

摩耶「語尾が渋滞してる」

冥「ぶっちゃけると食べられますナ。そして美味しいですナ。」

悠「マジか…。例えば、たとえば何が美味しんだ?……にゃわんのだ!」

神姫「無理やり語尾つけるんじゃないわよ」

冥「比較的に調理が簡単で美味しいのは一反木綿とかですナ。」

摩耶「木綿なのに?」

冥「もちろん、布の一反木綿は美味しくないですナ。食用になる一反木綿は全身が練った小麦のような物でできた一反木綿なのだ。」

神姫「練った小麦のような物?」

冥「ちなみに食べ方は細く切って茹でて夏は冷たい汁につけて、冬は温かい出汁で食べるとおいしいですナ。」

悠「つまり……一反木「麺」!」

「チッ」「チッ」「シネッ」「チッ」

悠「いま、死ねっていったのはどっちだ?」
ググッ
累「なーんで私たちを疑うんですかぁー!」
リリス「不当、不当な疑いですぅー!」

摩耶「それは妖怪としていいの?」

冥「弱肉強食が妖魔の常という部分もありますが基本的にそういう子たちは自然発生系ですから問題ないですナ。最近だと養殖してる人や捕獲を専門としてる鎮伏屋(ハンター)さんもいますナ。」

神姫「文字通り山菜取りや食肉の養殖ってことね。」

冥「そういうことですナ。だけど、当然食べることが禁止されてる妖怪もいますナ。」

千世子「例えば?」

冥「人魚、ハクタク、座敷童とかなのだ。」

悠「人魚はなんとなくわかるけど、座敷童子ってどういうあれだ?」

冥「植物の座敷童はOkで恋さんみたいな座敷童はダメって感じですナ。」

摩耶「植物?」

冥「座敷童の実があるんですナ」

悠「ダメだ。理解が追いつかん」
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