ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今さらなんだがスライムが食えるんなら魔物は食えるってことだよな。」

亘理『まぁ、そだね』

摩耶「端的に言えばミノタウロスとか牛だもんね。」

悠「つまりは牛肉だな」

神姫「雑食だろうから肉は臭そうね」

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。ターコイズは前回じゅぎょーしたとおり「トルコ石」という意味ですがつね実はトルコでは、ターコイズは産出されていないのだ。」

悠「つまり食用で育てたミノタウロスなら?」

神姫「牛育てりゃいいじゃない」

悠「まったく、その通りだわな。」

摩耶「ケンタウロスだと半分人肉だね。」

亘理『ヒェッ』

千世子「それではなぜ、「トルコ石」という名前がついたのでしょうか?ここでちょっと、地中海を中心としたヨーロッパから西アジア、アラビアにかけての地図を、思い浮かべて欲しいのだ。」

サタン「それでなんなのだ?」

悠「えっ?」

サタン「悠はすぐに話が脱線するから戻したのだ。」

悠「お前……成長したなぁ。」

神姫「どこにしみじみしてるの」

千世子「古来から、ヨーロッパの美術や文化において、中心的役割を果たしてきたのは、やはりフランスやイタリアであったと言えるのだ。一方、実際にターコイズが産出される地域は、現在のイランやエジプト(シナイ半島)などの砂漠地帯に多く散布しているのだ。」

悠「まぁ、それは置いといて、スライムが食えるから魔物が食えるってなるなら……妖怪も食えるんじゃないかなって」

亘理『……食べないでください!』

悠「食わねぇよ!」

摩耶「化け物フレンズかな?」

神姫「蟹坊主が蟹だからって茹でて食べたいわけ?」

千世子「西アジアや北アフリカとヨーロッパの間では、昔から盛んに貿易が行われていましたから、多くの商人がこれらの地域から、商品を持ちこんだのだ。そしてそのとき、必ず通る地域。アジアとヨーロッパの境界であるボスポラス海峡がある場所。それがトルコなのだ。」

悠「蟹は好きだけど人食う奴は却下」

サタン「じゃあ、何食べるのだ?すねこすり?」

悠「可愛そうじゃないか!」

亘理『ほぼ猫みたいなもんだもんね。』

摩耶「猫でも食べる国にあるけどね。」

千世子「ヨーロッパの人々がターコイズを手にする場合、それは必ず「トルコの方から」やってくるのだ。そのため、この宝石を産地にかかわらず「トルコの方の石」、「トルコの石」と呼ぶようになり、いつかそれが、この宝石の名前として認められるようになったと、いうわけなのだ。続きは次回なのだ。」
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