ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「さみーんだよ!」

摩耶「知ってる。」

悠「あまりに寒すぎて毛布持ってきたわ。」
バサッ

神姫「どうするのそれ。」

悠「かぶる」

【ターコイズ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。12月の誕生石である「ターコイズ」。和名では「トルコ石」と呼ばれていますが、「ターコイズ」という言葉自体も、トルコという国名に由来するものなのだ。」

悠「こうやってかぶってあったかーい。」

亘理『新種の妖怪かな?』

摩耶「ボロボロ布団?」

神姫「布団は綺麗だけど中身が汚い」

悠「誰が汚いですかい!」

千世子「ターコイズの歴史は古く、採掘される宝石としては、最古の部類なのだ。紀元前3000年ごろには、すでに装飾品として用いられていたのだ。古代エジプトの墳墓などからも、ターコイズの装飾品が発見されているほどですし、主要な産出地のひとつとして知られるアメリカ大陸では、古代メキシコやインカの人々、ネイティブアメリカン(アメリカンインディアン)の人々も、古くから大切なお守りとして用いていたことが分かっています。」

サタン「てるてる坊主みたいなのだ」

悠「吊るすのは勘弁してくれ。その役は亘理がやるから」

亘理『なんで……あ、ぶら下がれるからか』

神姫「理解が早いわね。」

摩耶「でも、どっちかというとハングドマンだよね。」

千世子「その色合いはスッキリとした空の色のようなブルー(ターコイズブルー)のものが一般的ですが、緑色のターコイズもあり、チベットなどの地域では、緑色の物が好まれるそうなのだ。」

悠「吊るされた男」

亘理『男じゃないよ!』

悠「吊るされた女」

摩耶「ダダダッ、ダダッダーダー」

神姫「サスペンスが始まりそうね。」

千世子「「ターコイズ」が象徴する言葉は、誕生石としては「成功」や「繁栄」を意味するとされていますし、旅するものが身を守る石として知られているのだ。」

悠「しかし、毛布ってやっぱスゲェな寒くないもん」

神姫「見た目はアホみたいだけどね。」

悠「可愛いっていってくれ。」

神姫「は?」

悠「可愛いっていってくれ。」

神姫「はっ?」

摩耶「悠くん謝ろう」

悠「本当に……申し訳ない!」

千世子「祖の効果としては、持ち主に何かの危険(災害や病気など)が迫ると、その色を変える。そしていざ危機に面したときには、身代わりとして日々が入ったり、割れてしまったりする、といわれてるのだ。」
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