ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「はい、悠さんにプレゼントDEATH」
デロデロ、ドロドロ

悠「なにこの色とりどりの粘着物体の詰め合わせ」

メフィスト「スライムゼリーの盛り合わせデス」

悠「なぜこんなものを?」

メフィスト「スライムを食べるのにハマっていると聞いたのデ」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。トパーズのカラーバリエーションについては前にじゅぎょーしているのだが、中でも人気があるのは、黄金色の輝きといわれる「シェリートパーズ」と「ピンクトパーズ」。しかし「ピンクトパーズ」は天然に産出することは稀で、多くの場合は人工的に処理することで、黄色系のトパーズをピンク色に変質させているのだ。その方法は、宝石を温めて変質させる「熱処理」という手法なのだ。」

悠「誰から聞いた?」

メフィスト「累さん達からデース」

悠「あいつらの戯言を真に受けるんじゃない!」

累「戯言じゃないわよ。ただの出まかせよ」

リリス「真実なんて言ってないもの」

千世子「トパーズを500度ほどにゆっくり熱して、ゆっくり冷ますのだ。するとトパーズは、一度無色になり、冷めるにしたがって、ピンクや、青紫色に変質するのだ。ただし、温度を高くし過ぎたり、加熱や冷却を急ぎ過ぎると、トパーズは無色になってしまうのだ。」

悠「チキショーメ!」

メフィスト「Oh…デスが、これは美味しいデスよ。」

悠「どれ、ズズッ、ズズッ」

摩耶「もはやスライムを飲むことに躊躇がなくなってるね。」

神姫「慣れって怖いわね。」

千世子「また、無色の色を加熱処理すると、青いトパーズになるのだ。色を変える手法には、このほかに放射線を当てたりする方法もありますが、このように、宝石の色を変えたり、発色を鮮やかにする加工は、様々な鉱石(ルビーなど)に使われているのだ。宝石の加工方法として認められているもので、偽造のように扱われることはないのだ。ただし加熱加工して美しく発色したものを「これは天然石のまま無加工です」といったりするのは、もちろんだめなのだ。」

悠「あ……ホントに美味しい。めっちゃフルーティ」

摩耶「フルーツ味なの?」

悠「ああ、ほぼ果汁の塊にかぶりついてる感じだ。食べる?」

摩耶「今日は寒いからやめとくよ。お腹冷えたらいやだし」

悠「そうかぁ。」

メフィスト「持ち帰るならまだまだありマスよ。」

千世子「トパーズはこのように、変色しやすい宝石なのだ。日光や強い照明などに当て続けるだけで色褪せてしまうほどデリケートなものですから、保存するときには、しっかりしたジュエリーケースに収め、なるべく光を避けるようにして管理することが大切なのだ。以上、トパーズのじゅぎょーだったのだ。」
17/100ページ
スキ