ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「あけましておめでとうなのだ!」

悠「へいへい、あけめー」

摩耶「略し方が独特」

サタン「ほい、あけおめドリンクなのだ。」

スライム『……』
ぶるんぶるん

悠「ドリンクでもないし、またスライムかよ。それしょっぱいんだよ。」

摩耶「そういえば前味の感想はいってたけどお腹は膨れたの?」

悠「腹がたぷんたぷんになると思ったけど、そうでもない不思議」

摩耶「あの体積の物をのみこんでお腹がいっぱいにならないってどうなんだろう」

サタン「あの位のサイズなら実際にはコップ一杯分の水を飲んだくらいにしかならないのだ」

悠「しょっぱかったからコップ一杯分の塩水かな」

神姫「それ、ものすっごく身体に悪いよね。」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。トルマリンの仲間にも、果物の名前が付けられたものがあるのだ。その名も「ウォーターメロン・トルマリン」。つまり「スイカ色のトルマリン」なのだ。ちょっとびっくりするような名前なのだ。」

悠「オーマイギャーットツギャザー」

摩耶「……」

神姫「……」

悠「やめて、そんな目で見ないで!」

亘理『悲しい』

千世子「この「スイカ色のトルマリン」という宝石名を聞いて、みんなが思い浮かべるのは、どんな色の宝石なのだ?おいしそうに熟した果肉のように真っ赤なのだ?それとも、ツートンカラーが面白い、みずみずしいグリーンの果皮の色なのだ?」

悠「どどめ色」

摩耶「どんなスイカを食べてきたらそんな色が出てくるんだろう」

亘理『むしろどどめ色がわかんない』

悠「どどめ色はどどめ色だどどめ。」

神姫「どどめって言いたいだけでしょ。」

千世子「実はどちらも正解で「ウォーターメロン・トルマリン」は、2色の宝石なのだ。すでに紹介したとおり、トルマリンはとても色の種類が多い宝石なのだ。その色は、ちょっとした成分の違いで現れてくれるものですから、ひとつの大きなトルマリンの結晶があったとき、その塊の中で、例えば表面近くと中心部や、結晶の上の方と下の方という具合に、部分部分によって成分が偏り、色に違いが出てきたLすることがしばしばあるのだ。というより、トルマリンの場合には、そうなっていることの方が多いのだ。色の数は様々で、時には15色ものカラーが同じ石の中に出てくることもあるということなのだ。」

悠「ウォーターメロンおっぱいならよく見るんだけどな」

亘理『ガブッ!』
スライム『ピギャーーー!』

悠「スライムガード」

神姫「それうるさいんだけど」

亘理『ごくんっ……しょっぱい。』

千世子「「ウォーターメロン・トルマリン」は、このような多色のトルマリンの一種で、ピンクと緑の二色が、ひとつの石に同居しているものを言うのだ。ちなみに、ひとつの結晶に複数の色が見られるものを「パーティカラー」といい、その中で2色の物を「バイカラー」、3色の物を「トライカラー」というのだ。「ウォーターメロン・トルマリン」は、この「バイカラー」の宝石の一種ということになるのだ。色のわかれ方も様々で、くっきりと2色になっているものや、逆にグラデーションがかっているように見えるものもあるのだ。」

悠「しょっぱいよな」

亘理『お吸い物みたい』

サタン「だったら、砂糖をかければいいのだ。甘くなるのだ。」

悠「塩水に砂糖混ぜても中和はできんのだぞ」

サタン「そういうんじゃないのだ。」

千世子「見た目に珍しく、色合いも面白い石ですし、見栄えよくカットされたものは、とても美しい宝石となるのだ。パワーストーンとしては、新陳代謝を活発にしてくれるとされてるのだ。パートナーにプレゼントすると、お肌ツルツルの健康美人になってくれるかもしれないのだ。以上、トルマリンのじゅぎょーだったのだ。」
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