ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

サタン「そうだ。メフィスト、この包丁取って欲しいのだ。」

メフィスト「これは……んー……時間がかかりマスね。」

悠「魔法でパパッとどうにかできないのか」

メフィスト「魔法を使えば何でもできると思わないデください。」

悠「悪魔がなにいってんだ。」

摩耶「常識を問う悪魔と非常識な人間」

メフィスト「とりあえず持っていきマスね。」
フワフワ

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。プラスチックの下敷きを、セーターなどにこすりつけて静電気を発生させるのに似ていますが、電気発生の原理は違っているのだ。宝石店などではね強い照明などで温められると、トルマリンだけがほこりまみれになってしまうので、展示には注意が必要なのだ。」

亘理『結局運んで行っちゃったね。』

悠「魔法で浮かして持っていくのに、魔法でなんでもできるわけじゃないというのはどういうことなのか……」

亘理『まぁまぁ』

摩耶「でも、物理的に取れないなら魔力的な力でとるんだろうけどね。」

悠「案外、引きちぎってたりして。」

千世子「もっともこれらの性質は、すべてのトルマリンに共通するものではなく、その石の持っている成分などの条件で、帯電のしやすさには大きな差があるのだ。特に黒いものの中には、ほとんど焦電性を持たないものもあるそうなのだ。」

スキュラ「それはとても困るのですが」

神姫「そんな大事な包丁なの?」

スキュラ「大事というかアレを一本作るのに何千ものの海魔を…ふふっ。」

悠「最後をなぜ濁したのだろうか」

摩耶「聞かないほうがいいこともあるからね。」

千世子「ところで、世の中にはトルマリンを使ったという、様々な健康器具や、浄水器などの商品があるのだ。その中には、「置いておくだけでマイナスイオンが発生する」とか「危険な電波を吸収する」というような効果をうたっているものがありますが、トルマリンが電気的に特殊な性質を示すのは、前述のとおり、温めたり、圧力をかけたりした時だけですし、トルマリンの塊や粉末をただ置いておくだけで、電波を吸収したりする大きな効果があるかどうかは、疑問が残るのだ。」

悠「体重と歳と男性遍歴」

亘理『なにそれ』

悠「女性に聞かないほうがイイコト」

摩耶「最後の遍歴は男女関係なく聞くべきではないものだけどね。」

悠「おれは聞きたい!」

神姫「黙ってなさい」

千世子「宝石と同様に天然自然のカラフルな贈り物である果物。赤色がきれいなサクランボやイチゴはルビーに、キウイフルーツやマスカットなどは緑のエメラルドやヒスイに例えられたりしますが、反対に果物の名前にちなんで、宝石の名前が付けられることがあるのだ。有名なものは、ガーネットの和名の「ざくろ石」がそうですし、ペリドットの和名であるかんらん石も、食用の植物であるカンランから由来するものなのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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