ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……」

千世子「あんちん、ボーっと突っ立ってどうしたのだ?」

悠「ちょっと机見てくれ」

摩耶「机?……何か刃物が突き刺さってるね。」

悠「なにがどうしたらおれの机に包丁が突き刺さるんだろうか」

亘理『料理をしててとか』

悠「お前じゃあるまいし」

亘理『どういう意味!』

神姫「自分でやったんじゃないの?」

悠「なんでやねん」
ベシッ
バシッ
神姫「……」

千世子「ツッコミを叩き落としたのだ」

摩耶「オートガードだね。」

悠「普通に痛い……。まぁ、それはおいといて、とりあえず抜くか」
グイッ、ググッ!

摩耶「机が一緒に持ちあがってるよ」

悠「ちょっと机押さえててくれ」

千世子「はい」
亘理『あい』
ガシッ
悠「ふんっ!」
グググッ!
ズリリッ
千世子「ビクともしないのだ」

悠「なんで?!こんな先っぽしか刺さってないのにおかしいだろ」

亘理『折っちゃえば?』

悠「ぬぬっ!」
グンッ!グンッ!

摩耶「ビクともしないね」

悠「はぁはぁ、誰だ!こんなイタズラした奴は!サタン!」

サタン「なんで我なのだ!」

神姫「違うの?」

サタン「……いや、違わなくはないのだ。」

悠「お前じゃないか!」

サタン「違うのだ。これは事故なのだ。ちょーつとスライムが極小の世界で結合しちゃっただけなのだ。」

悠「またスライムか、最近はスライムばっかりだな。で、なにしたって?

スキュラ「私から説明します。スライムの水飴にハマったサタンさんはスライムを海魔の包丁で叩いてたのですがやり過ぎてそうなってしまったのです。」

悠「なにをどうやり過ぎたらこうなるんだ」

スキュラ「包丁で叩いて叩いて叩きすぎるうちにスライムが粘性の強い接着剤のようになってそのまま固まってしまったのです。」

摩耶「スライムって叩き過ぎたらそんな風に変化するの?」

スキュラ「いえ、恐らくはサタンさんの魔力が海魔の包丁を通してスライムに何らかの変異が起こったのかと。普通のスライムが突如はぐれメタルのようになってアストロンしてしまった感じです。」

悠「分かりやすい」

サタン「我は凄いからなのだ!」

悠「で、どうしくれんのこれ?」

スキュラ「私の包丁もこののままだと困るのですが。」
ゾゾゾっ

サタン「……め、メフィストにどうにかしてもらうのだ!」
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