ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

冥「お漬物食べませんかナ?」

悠「コーヒーと漬物は合うかな」

摩耶「流石にきついと思う」

悠「じゃあ、酒だな。お漬物とお酒素敵じゃないか。」

冥「お酒があるとはいってませんナ。」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。比較的によく発見されるのは、貝の化石がオパール化したものなのだ。貝殻がそのままの形で、丸ごとオパール輝きで包まれている標本も存在するのだ。また同様に、地中に埋没した樹木の化石(珪化木)がオパール化することもあるのだ。」

悠「でも、なくはないだろう。だって管理人ちゃんだって飲むし。」

冥「私のお酒を当てにしないで欲しいのナ」

摩耶「悠君は消毒用アルコールとかでいいんだよ。」

悠「アル中の末期じゃねぇか」

神姫「なら料理酒?」

千世子「そして時に発見されるのが、恐竜の化石がオパール化しているものなのだ。オパールの主要な産地として知られているオーストラリアでは、全身の骨格のあちこちがオパール化した化石が発見されたりもしているのだ。」

悠「消毒用アルコールよりはマシでも美味くはないなぁ。」

亘理『飲んだことあるの?』

悠「そりゃ一回ぐらいは試してみるだろ」

摩耶「ないね」

神姫「ないわね」

千世子「ところで、オパールの構成成分は「シリカ」(二酸化珪素)ですが、これが材料として作られ、私たちの身の回りによく使われているものがあるのだ。」

サタン「血のように赤いワインがいいのだ。」

悠「漬け物に赤ワインあうかな」

神姫「梅干しや漬物はアレでチーズと合うんだから、ワインとも合わないこともないんじゃないかしら。もちろん種類は選ぶでしょうけど」

悠「ちなみになんの漬物があるの?」

冥「壺漬けですナ」

千世子「ちょっと考えてみましょう。オパールは「ゲル状」の「シリカ」が、固まったものだったのだ。「シリカ」と「ゲル状」……「シリカのゲル」……。そう、あのおせんべいなどの袋の中に一緒に入っている「これは食べられません」と書かれた小袋の中の乾燥材。透明な粒状の物質の名前は、なんと「シリカゲル」というのだ。実はシリカゲルとオパールは、成分としては、ほぼ同じものなのだ。」

悠「ならアレだな。ご飯をくれ。」

神姫「ついに食事の方になりだしたわね。」

摩耶「まぁ、漬物はご飯との相性は最高だろうからね。」

悠「であろう?そうであろ?」

亘理『どういうキャラ?!』

千世子「また、オパールのように宝石としての価値がないシリカは「白土」と呼ばれ、セメントやガラスの原材料としても利用されているのだ。以上、オパールのじゅぎょーだったのだ。」
97/100ページ
スキ