ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(11/27/夜)ー

夜の帳が降りて風の冷たくなりだした午後七時三十分。
今日は普段より三十分早く集まっていた。

悠「やいやーい踊れや踊れ~♪」

摩耶「らーい、らーい、羅刹と骸~♪」

千世子「ひとつ、ふたつ、みっつでまた開いて、よっつ、いつつ、むっつでその手を上に~♪」

千世子は悠と摩耶の歌に乗ってくるくると踊る。

摩耶「ねぇねぇ、悠くんこの歌なんの曲?」

悠「初音ミクの結ンデ開イテ羅刹ト骸。」

千世子「はぁはぁ…あんちん~この遊びは疲れる~」

悠「まぁ、遊びっか面白いから踊らせただけなんだが。」

千世子「なんですと!?」

摩耶「けど、可愛かったよ。」

千世子「かわいい…千世子可愛かった?」

摩耶「うん。」

千世子「そっかー。えへへ。」

摩耶「悠くん、なでなで攻撃チャンスだよ」

悠「俺の撫でるは攻撃コマンド扱いかよ!」

千世子「っとと、授業の時間だ。コホン、しゅっせきをとります。悠のあんちん」

悠「ちぇき~。っか、今更だが必要かこれ」

千世子「必要!つぎ、まーや」

摩耶「はいはーい。」

千世子「はい、全員しゅっせきを確認。では前回の授業ではドラゴンの外見的特徴を勉強しましたが、それを踏まえて今日はまず「ドラゴンのさまざまな姿」について説明します。」

摩耶「僕はドラゴンっていったら合成生物みたいなのをイメージするね」

悠「俺は九頭竜だな。色んな意味で」

千世子「まーやのイメージは爬虫類以外の特徴を持つドラゴンだな。ドラゴンのなかには、トカゲや蛇以外の外見要素を持つドラゴンもいる。様々獣の合成生物である「ムシュフシュ」。「タラスクス」なんかは亀みたいな甲羅を持つ。」

摩耶「ムシュフシュ?タラスクス?」

千世子「後々説明するから。んで、あんちんのいう九頭竜は多頭のドラゴン。複数の頭部をもつドラゴンはけっして珍しくなく。なかには1000個の頭部を持つものもいる。頭部の数は強さの象徴であるほか、宗教的な意味合いを持つこともあるんだぞ。」

悠「九頭竜や黙示録の赤い竜。フェルニゲシュとかだな」

千世子「そうだ。あんちんに花丸あげるなあー。」

摩耶「いいなー」

悠「わ、わぁい。」

千世子「それで……前足と後ろ足を二本ずつ持つとかげタイプのドラゴンは、ほとんどがヨーロッパや中東地方にすんでいるドラゴンなのね。それ以外の地方……例えばアフリカやアメリカ大陸には、蛇の姿から発展した、足のない飛竜タイプのドラゴンが多いみたい。さて、では最後のおさらいに「ドラゴン」の基準は?」

摩耶「はーい、とりあえず今は前足と後ろ足が両方あることを「ドラゴン」とするです」

千世子「よくできました。まーやも花丸あげます。」

摩耶「わーい!」

千世子「では、今日の授業はここまで。次回からは黙示録の赤い竜やベオウルフのドラゴン。個別にドラゴンの授業をします。」

悠「ういーす」

摩耶「はーい」
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