ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「はぐはぐ……このスルメ旨いな。」

亘理『コーヒー飲んだ後にスルメ食べるって後味ひどくない?』

悠「同時ではないから大丈夫、大丈夫」

神姫「でも、確かにいいスルメね。ものすごく味が凝縮されてる。」

スキュラ「ダイオウイカのスルメで。」

千世子「巨大なオパールから怪獣が生まれて大暴れする、という特撮映画があるのだ。1966年(昭和41年)公開の「大怪獣決闘ガメラVSバルゴン(大映)」に登場する「冷凍怪獣バルゴン」がこれなのだ。」

摩耶「それは大味になるわけだね。あれ、でもダイオウイカってしょっぱくて臭いって聞くけど。」

亘理『そうなの?』

神姫「ダイオウイカは筋肉にアンモニアを含む細胞があるのよ。それで大きな身体を浮かせられるのだけどね」

スキュラ「こちらはマーメイドたちが旨み成分以外を取り除いたものですから大丈夫ですよ。」

悠「人魚がダイオウイカとっ捕まえてスルメにしてるって想像したらテラシュールだな」

千世子「ニューギニアの奥地にある秘境、「虹の谷」で発見された巨大なオパールが、輸送中に医療用赤外線ランプを浴び、中から怪獣、バルゴンが生まれてしまうのだ。オパールのように見えたのは、実はバルゴンの卵だったのだ。成長して巨大化したバルゴンは、口から冷凍光線を吐き、街を氷漬けにするのだ。」

神姫「ちなみに実際、ダイオウイカを食べるとして一番いい方法はスルメらしいわ」

亘理『へー、そうなんだ。』

神姫「でも、別に、おいしく食べるワケではなく、1番マシに食べるには、スルメというだけらしいけどね。」

悠「ある意味では珍味だろうな」

摩耶「好きな人は好きかもね。」

千世子「その背中からは、オパールのように七色の殺人光線を発射し、大暴れするのだ。怪獣バルゴンは、最後には人類に味方する怪獣ガメラによって倒されてしまいますが、実は現実世界にも、オパールと深い関連がある生物たちがいるのだ。」

悠「おれはイカは焼いたのも好きだけどな、あとイカめしとか、てんぷらとか」

摩耶「それ、何でも好きっていうんだよ」

悠「タコも好きだけどな」

スキュラ「私の触手いっぽんいりますか?」

悠「それはいらないです。同じようなことをラヴクラフトがやるし」

千世子「オパールは「置換」という現象を起こすことがあるのだ。これは、地中に埋まっている化石の一部、または全部の成分がオパールの成分と置き換わり、場合によっては、オパール特有の輝きを持った化石になってしまうというものなのだ。続きは次回なのだ。」
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