ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「石炭を加圧するとダイヤモンドになるっていうよな」

摩耶「バキで野見宿禰あれこれでダイヤモンドにしてたね。」

神姫「まぁ、石炭でなくても砂糖でも骨でもダイヤモンドにはできるわけだけどね。」

亘理『どういうこと?』

悠「炭素源ってのがあればダイヤモンドになるってことだ。」

亘理『ほ、ほーん』

千世子「これはわかってない顔なのだ。」

悠「ってことなら、ここに角砂糖があるじゃん?サタンに握らせたらダイヤモンドできるんじゃね?」

摩耶「錬金術ならぬ錬ダイヤ術」

悠「というわけで、サタンやってみ。」

サタン「ほい」
ぐしゃっ、サララッ

悠「うん、いや、そんな普通に握るんじゃなくて」

サタン「うぇー、手がベタベタなのだ。」

神姫「そりゃ角砂糖にぎったらそうなるわね。」

悠「もっとガチで握ってもらえない?はい、角砂糖もう一個」
スッ
サタン「ガチで?」

悠「ガチで」

サタン「こぉっ……はあぁっ!」
バチンッ!
じゅっ
悠「あぢぃっ!あっぢぃっ!!」

雨「なんだ今の…」

神姫「恐らくだけど握られた角砂糖がダイヤモンド化するまえに液状化して更に熱が集まって飛び散った……じゃないかしら。」

摩耶「熱を持ちすぎて爆炎にならなくて良かったね。」

悠「めっちゃ甘い匂いのするヤバい温度の液体と気体のはざまの物質が肌にかかったぁ!」

千世子「いわれてみたら凄く甘くていい匂いなのだ!」

亘理『っていうか、悠ちゃん大丈夫』

悠「……」

摩耶「あれ、悠君?」

悠「ちょっとヤバいかもしれん。見てくれこれ」
ぺきぱき

亘理『わっ、なにそれ。固まってる?』

神姫「溶けた砂糖がかかったわけだから……飴を極薄コーティングを塗ったみたいになってるのね。」

悠「これ、おれだったから髪にかかって顔が護られたけど他の人だったら大やけどしてたぞ!」

サタン「やらせたのは悠なのだ」

悠「たしかにそうだね!」

千世子「素直なのだ。」

悠「それよりちょっと誰かお湯とタオルと櫛持ってきて、このままだと飴細工なっちゃう。」

摩耶「犬とかの前にすわってたらいいんじゃない?」

悠「ヨダレと混ざって余計に大変なことになるっ!!」

サタン「固まったなら我が熱で溶かして……」

悠「髪が痛むから止して!」
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