ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ズズズッ、ズズズッ」

摩耶「悠君」

悠「なんぞ?」

摩耶「コーヒーをやたら音たてて飲むのはやめようよ」

悠「思ったよりアチアチだったんだ。」

サタン「少しさ冷ましてあげるのだ。」
ブォン、キンッ!

悠「……」
ブンブンッ

千世子「振り回しても逆さまにしても一滴も落ちてこないのだ。」

悠「キンキンに凍っちゃってるからな」

サタン「ちょっとミスったのだ」

悠「ちょっとのミスで熱い液体が凍りつくって……どうなん?」

サタン「すぐに溶かすのだ」
ゴゴゴッ

悠「溶かすだけにそんな業火球いらねぇんだよ!」

サタン「わがままなのだ!」

悠「おれの我儘とはぜったいに違うだろ!」

亘理『氷も炎もおちゃのこさいだね。』

摩耶「ヒーローみたい」

悠「ヒーローってよりヴェノムだろ」

サタン「なんなのだそれ?」

神姫「地球外生命体に寄生された人間。」

サタン「サタンパンチ」
ブォン!
パンッ!
悠「コーヒー缶ガード!」

亘理『弾け飛んだ!!』

悠「ふっ……どうしよう、破片がめっちゃ手に突き刺さった。」
ダラダラ

摩耶「コーヒーと血液がブレンドされたヤバい液体が垂れてるみたいだね」

神姫「こっちにまで汁が飛んでたらぶっ飛ばしてたわよ」

悠「誰かひとりぐらい心配とかは……?」

摩耶「自業自得だよね。そんなものを盾にしてる時点で」

悠「ちぇー。」
ブッブッ

亘理『普通に引き抜いてるけど平気なの?』

悠「痛いよ。血出てるし」

サタン「超再生すればいいのだ」

悠「できるか!」

神姫「はぁ、ちょっと待ってなさい。ウェットティッシュ持ってるから」

悠「微笑みの爆弾…」

千世子「どういう意味なのだ?」

摩耶「めちゃめちゃ厳しい人たちが、ふいに見せたやさしさのせいだったりするんだろうねって歌詞の部分を言いたいんだと思う」

悠「はい」

雨「長いしまどろっこしいわ」

神姫「はいはい、なんでもいいからとりあえず拭きなさいよ」

悠「どうも。……ひぃっ染みる!」

神姫「アルコールウェットティッシュだからね。」

悠「わわわ、わーい、しょーどくもできりゅー」

千世子「優しさなのだ」

悠「ふぅっ、とりあえず血は止まったな。」

亘理『あんなに深々刺さってたのに!?』

摩耶「超ではないけど、適度に再生力あるからね。悠君は。」
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