ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「カボチャ」

摩耶「煮るの?」

悠「いや、削る」

千世子「削るのだ?」

神姫「ジャックオーランタンでも作るの?」

悠「イエア!」

摩耶「アメリカン」

亘理『で、カボチャは?』

悠「もうすぐ届くはずなんだが」

義鷹「入らねぇぞコレ」

メフィスト「扉を外しマシょう」
ガタガタ、がちっ!

義鷹「なんとか入るか……よいしょっ」
ズンッ!

メフィスト「お待たせシマシた」

悠「……もうすぐ届くはずなんだだが」

摩耶「現実を見ようか」

千世子「超でっかいカボチャなのだ」

メフィスト「産地直送デスよ」

悠「SAN値直葬?」

神姫「どこの産地?」

メフィスト「天界デス」

悠「あれ、地獄とかじゃなかった。」

摩耶「天界ではビックなカボチャが取れるんだね」

メフィスト「いえいえ、最初は普通のサイズデシたよ」

悠「どゆこと?」

メフィスト「面白くなかったので……私が魔力を込めマシた。」

悠「余計なことを……」

千世子「そしたら大きくなったのだ?」

メフィスト「どうも、私の魔力と天界の野菜は相性が悪かったみたいデスね。本当は動くようにするつもりだったんデスが。」

亘理『これ食べられるかな』

悠「食べられるとしたら……食いたいか?メフィストがわけのわからんことしたカボチャ」

亘理『……ごめんなさい』

メフィスト「どういう意味デスかぁ?」

神姫「そのままの意味だと思いますよ」

悠「しかし、こんなどでかいカボチャは彫刻刀では掘れないな。ノミとハンマーがいる。」

義鷹「俺が切ってやろうか?」

悠「ジャックオーランタンにできるか?」

義鷹「……切るところに線を引け、その線通りに削り切ってやる。」

悠「ああ、なるほど。じゃ、ちょっと待てよ。ペン……あった。」
カキカキッ

義鷹「……」
ガリガリ、ガリガリ

亘理『おー』

千世子「出来てるのだ」

悠「よし、こんなもんか」

メフィスト「……ブッブッ、フッ!」
ボッ!
ジャック『ゲラゲラゲラゲラ』

悠「貴様何をしたぁーー!」

メフィスト「ウィプスを宿シただけですよ。これぞ本物デスよ!」

神姫「ははーん、これをやるだけのためにデカくしたのね。」

ジャック『ゲラゲラゲラゲラ!』

亘理『うるさっ…』