ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「…キャラメル欲しい人」

千世子「キャラメルなのだ?」

悠「うん…キャラメルだよ」

摩耶「ん?」

神姫「……」

千世子「じゅぎょーしますなのだ。ペリドットの産地として有名な地域は、アメリカ、中国、ミャンマー、ハワイ諸島などがありますが、古来、有名だったのはエジプトだったのだ。」

亘理『食べる!』

悠「はい、どーぞぉー」

亘理『あむっ、はむはむっ……うえっ!まずっ!?なにこれっ!まっず!』

悠「ジンギスカンキャラメルだよ」

亘理『うえー。口の中が気持ち悪い!』

千世子「古来エジプトでは、太陽を消長する石として大切にされていたのだ。古代エジプトは、太陽神が信仰されていたので、それも当然なのだ。」

悠「不味いだろ?はい、水」

亘理『ごくっごくっ。うぇへぇ…なんか脂っぽいし臭いし……。』

摩耶「なんでジンギスカンキャラメルなんてもってるの?」

悠「北海道物産展で誰かに食べさせたくて買った。」

神姫「ほんっと余計なことにお金出すわね。」

千世子「ペリドットは屈折率が高く、ロウソクの灯のような暗い場所でも明るく輝く性質があり、ローマ時代には、同様に緑色に美しく輝くエメラルドに例えて、「イブニング・エメラルド」(夜のエメラルド)と呼ばれたのだ。」

悠「ちなみにおやつとしてバウムクウヘンも買ってあります。」

摩耶「バームクーヘン」

悠「バウムクウヘン」

サタン「バルクルム?」

悠「そうだ。」

神姫「違うでしょ。」

千世子「ヨーロッパには、紅海のセントジョーンズ島から産出されたものが、十字軍によってもたらされたのだ。ペリドットは、その明るい輝きから悪魔を退ける力があると信じられ、教会の装飾などに用いられるのだ。」

亘理『がるるッ!』

悠「そんなに怒るなよ。ちょっとしたお茶目だろ」

亘理『怒るよっ!』

サタン「毒じゃないしセーフなのだ」

亘理『毒みたいなまずさだったよ!!』

千世子「またその力は、やはり光の象徴である金と組み合わせた時に、とくにパワーを発揮すると考えられたようなのだ。淡い黄緑色は、金の輝きに見た目にもよく似あい、現在の宝飾品でも金との組み合わせは、よく使われているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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