ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あーめーちゃん。」

雨「……は?」

悠「雨ちゃんさぁーちょっとお願いがあるんだけどぉー。」

雨「端的に気持ち悪くて嫌なんだけど」

悠「雨ちゃんの冗談は辛口だなぁ。それでなちょっとお願いがあるんだけど。」

雨「だから嫌だっていってるでしょ」

悠「雨ちゃんの冗談は辛口だなぁ。それでなちょっとお願いがあるんだけど。」

雨「……」

亘理『あっ、これゲームで見たことある。』

摩耶「無限ループだね。」

神姫「冒険者全般は戦う勇気とかより断る勇気を持つべきだとしみじみ思うわ。」

悠「でも、ゲームの醍醐味は依頼(おつかい)じゃん?」

神姫「それが醍醐味なら納品クエだけやってなさいよ」

悠「めんどくさいから嫌です」

摩耶「この手のひら返しである。」

サタン「欲しいものは奪い取ればいいのだ。」

累「累は欲しいものが手元に来るようになってるのが世界の常識だから」

悠「そこの魔王と悪魔ちゃんの意見なら……魔王のを選ぼう。おら、大人しく糸出さないと殺虫剤振りまくぞ!!」

雨「ぶっ殺すわよ!!」

摩耶「っていうか、何で糸がいるの?」

悠「家に古雑誌が溜まってきたからまとめてゴミに出そうと思ったんだけど頑丈な糸で縛りたいんだ。」

千世子「思っていたよりもかなりどうでもいい事に使うつもりだったのだ。」

雨「荷造り紐をそこらで買え!!」

悠「たたで出せるんだからケチケチしなくてもいいだろ」

摩耶「大した値段もしないものをねだるのも相当ケチだけどね。」

神姫「っていうか、ねばねばして持って帰ってる間に自分に絡まるんじゃない?」

悠「……やっぱり蜘蛛はダメだなぁ」

摩耶「そして、この手のひら返しである。」

雨「……」
ぷるぷる

千世子「あんちん、流石に雨ちゃんに謝罪すべきだと思うのだ」

悠「わかった、わかった。今度生きたコオロギ捕まえてくるわ」

雨「死ねぇー!」
ビュバッ!
ブワーーッ!

悠「……」
サッ

亘理『わぎゃーー!』

摩耶「あーあ、亘理ちゃんが糸にまかれちゃった」

悠「なんてことを!!」

雨「あんちんが避けたからなのだ」

悠「だってあのままだったら糸にまかれてたじやん。避けるよな?」

神姫「避けるわね。」

亘理『だからってなんで私に当たるの!?』

摩耶「悠君の後ろに居たのが運の尽きだったね。」