ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あれ?」

摩耶「なに?命落した?」

悠「粗忽長屋か。そうじゃなくてポケットに携帯が入ってた」

千世子「いたって普通のことなのだ」

摩耶「特別な時以外に悠くんがちゃんと携帯してるのは稀だからね」

亘理『あのさ、粗忽長屋って何?』

悠「落語」

サタン「コブがある奴なのだ!」

悠「それは駱駝だ」

千世子「乗ってみたいのだ」

摩耶「だってさ、悠君」

悠「いくらおれでも駱駝は用意できんぞ」

神姫「四つん這いになって駆けなさいってことよ」

悠「ハハッ、キョウテキトウジョウダナ!」

雨「何言ってんだコイツ」

悠「あれだ鳥取に行けば駱駝に乗れるぞ。とっとり砂丘で」

サタン「東京砂漠?」

悠「耳掃除してこい」

千世子「そこまでして乗りたくはないのだ」

サタン「あ、馬だったら我が連れてこれるのだ」

悠「どっから」

サタン「魔界なのだ。」

摩耶「どんな馬?」

サタン「八本の足がある馬なのだ!」

神姫「それって……スプレイニル?」

亘理『すぷ?』

千世子「スプレイニルはオーディンに献上された最高の軍馬なのだ。」

サタン「めっちゃ速いのだ!」

悠「持ってくるなよ」

サタン「まぁ、あんまり魔界の物を連れてきたらうるさいのがいるからやめとくのだ。」

悠「それに八本足なら……そこにいるじゃん」

雨「……は?」

悠「本性を顕にしたら子供ひとりぐらい乗せられるサイズになるだろ?」

雨「お前を食い殺してやるわ!」

神姫「……っていうか、例え乗れて蜘蛛に乗るのは嫌でしょ。」

雨「……」

悠「神姫、雨が真顔になってる」

千世子「雨ちゃん、元気出すのだ」

雨「このやり場のない感情をどうしたらいいのかしら」
わなわな

摩耶「悠くんにぶつければいいよ」

悠「殺す気でかかってこい!」
スッ

雨「殺虫剤を構えるな!」

神姫「無駄使いしないでよ。まだ蚊がいるんだから」

雨「いや、蚊がいるっていうかあんまり振りまくのを控えてくれない?ピリピリするから」

悠「電気風呂みたいだな」

雨「そんないいものじゃない!」

摩耶「毒によるスリップダメージだもんね」

悠「こんどガスマスク買ってきてやるよ」

雨「いーらーなーいっ!」
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