ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/10/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「うーん……眠い。」

摩耶「きのう何してたの?」

悠「いや、普通に夜は寝てたぞ」

花描「寝てても眠いならどうしょうもないな。」

悠「ふむ…たしかに」

千世子「みんなー、今日のじゅぎょーはこれなのだ」

【鏡】
普通の鏡も十分に不思議?

悠「この世でいちばん◯◯なのは誰?」

摩耶「それはおまえだー!」

神姫「童話と怪談がごちゃごちゃになってるわよ」

千世子「鏡は、世界のようすを左右反対に映して見せるという、現世に存在していながら魔法のような効果を生み出しているのだ。少なくとも古代の人はそう考えていたのだ。」

悠「銀幕のミラーウォール」

摩耶「あれ、マミー・イン・ザ・ミラーじゃないんだ」

悠「しまった…それがあったか」

千世子「鏡は、世界中で古くから霊的な、あるいは魔法的な存在として扱われてきたのだ。魔法の鏡の機能を大別すると「真実(目に見えないもの)を映し出す機能」「異世界への扉としての機能」「魔法などを反射する(あるいは反射しない)機能」の三つがあるのだ」

花描「ラーの鏡とかまんまそれだな」

神姫「白雪姫に登場する魔女の鏡とかね」

千世子「あれは魔女が見たいものを映し出すだけでなく、魔女の質問に答えることもできたのだ。「ハリーポッター」シリーズに登場する魔法の鏡は、心の奥底に潜む願望を映し出す鏡だったのだ。」

摩耶「西遊記には「照妖鏡」があったよね。妖怪の姿を映し出す鏡」

千世子「孫悟空が戦った牛魔王は、劣勢になると変身して逃げようとしたものの、この鏡に本当の姿を映し出されてしまって、追い詰められたのだ。」

悠「鏡は能力からアイテムまでいろいろあるからな」

千世子「鏡を覗き込むと、現世と左右対称な世界が存在しているかのような錯覚を覚えるのだ。こうした特徴から、現世とは異なる別の世界へ向かう扉、もしくは別の世界の生物が入ってくる通路とされることも多いのだ」

摩耶「合わせ鏡とかだね。」

悠「漫画のうる星やつらで、夜中の十二時に偶然できた合わせ鏡から、異世界から小悪魔が飛び出してくる話があったな。」

千世子「「魔法を反射する鏡」として最も有名なのもは、ギリシア神話に登場するペルセウスが持っていた「鏡の盾」なのだ。蛇の髪の毛をもつメデューサはそね目で見たものを石に変えてしまう力があったのだ。そこでペルセウスは、鏡のように磨いた盾にメデューサを映し、直接その目を見ないようにして戦ったのだ。メデューサの魔法の力は、鏡越しには働かなかったのだ。以上、鏡のじゅぎょーだったのだ」
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