ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

ビュオーー、ガタガタ!

悠「風強いな」

摩耶「台風の余波だろうね」

神姫「連続だったけど別段ひどい被害が出なくて良かったわ」

悠「話しは変わるけど風よ吹け吹けって歌あったよな」

摩耶「グリーングリーン?」

千世子「ぜんぜん違う歌なのだ。」

悠「まぁ、そんなことは置いといて、この風だと油断してるとひっくり返りそうになるな」

摩耶「ちょっとひっくり返ってみて。動画にとってアップするから」

悠「おれの痴態を世間にさらそうとしないでくれ」

神姫「いつもさらしてるでしょ」

悠「ばんなそかな!」

サタン「恥の多い人生ってやつなのだ」

悠「いいや、自分に誇りをもってるから恥なんてないね!!」

千世子「よくそあいうことを言い切れるのだ。」

悠「心を強く持ってないとダメだぜ?」

サタン「心だけでいいのだ?」

悠「……あとは勇気かな」

摩耶「Luck1(幸運を)PLUCK(勇気をッ!)」

悠「戦士ブラフォード!!」

亘理『楽しそうだね』

悠「そこそこ」

サタン「我も楽しませろなのだ!」

悠「無茶をおっしゃる」

摩耶「小粋な小噺でも一つしてあげれば?」

悠「じゃあ、饅頭怖いでも一席」

神姫「ホントに小噺を始めるところがね…」

悠「落語で思い出したんだが、異世界落語ってのもあるらしいな」

摩耶「落語で無双するの?」

悠「読んでないから何とも言えない。」

神姫「異世界はホントに何でも呼び込むわね。」

悠「鮫映画もなんでも混ぜるぞぉー」

神姫「……」

悠「やだ、冷たい目をしていらっしゃる。」

亘理『そういえばなんか面白い映画貸してって言ったらメガシャークって映画のシリーズを持ってきてくれたよね。』

悠「笑えただろ?」

摩耶「ポイントは「面白い」じゃなくて「笑えた」って部分だね。」

亘理『開始20分ぐらいで寝ちゃったよ!』

悠「まだまだ練度が足りないな。おれぐらいになると泣かずにエンディングまで見れるぞ」

サタン「泣く話なのだ?」

摩耶「たぶんだけど、なんでこんなものを見てるんだろって気持ちに負けずに最後まで頑張れるって意味だと思う」

神姫「むしろ、なんでそんな映画を見るのか」

悠「見えてる地雷と分かっていても踏み抜かないといけない時もある。」

千世子「あるある……そんなわけないのだ。」
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