ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんか外でビニールが飛んできたから避けたらダンボールが直撃した」

千世子「だからそんなにびちゃびちゃなのだ?」

摩耶「それがトドメだねきっと」

悠「水も滴るイイ男っていってもいいんだぞ?」

神姫「……」

悠「凍るような目つき」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。ルビーにまつわる様々な物語の中でも、悲劇的で印象深い物語に、イランの伝承に登場する、ロスタムとその妻と子供の物語があるのだ。」

亘理『吹かないと風邪ひくよ』

神姫「バカは風邪ひかないのよ」

悠「ぼくはつよいこ、かぜのこ、ぐりこ」

摩耶「あ、馬鹿だ。馬鹿が居る。」

悠「失敬な!」

千世子「ロスタムは多くの魔物や悪竜などを打倒した英雄なのだ。彼は大国トゥーラーンの属国のサマンガーンという国で、王女タハミールと出会って結婚するのだ」

雨「バカ丸出しだったでしょ」

悠「お前はバカ丸出しだ!吉良義影!!」

摩耶「唐突なジョジョ」

神姫「いつも唐突でしょ」

悠「いつ何時でもブッ込める臨機応変と言ってくれ」

千世子「王女は間もなく子供を宿すのだ。ところが折り悪しく、ロスタムが仕えるイランと、トゥーラーンの間に争いが起こるのだ。イランに帰ることになったものの、子供への思いが断ちがたかったロスタムは、彼の家に伝わる3粒のルビーを王女に託し、「生まれてくるのが女の子なら髪飾りに、男の子なら腕輪にして持たせなさい。そうすれば、その子がロスタム家のことわかるから」と言い残して帰国するのだ。」

神姫「物は言いようね」

悠「とりあえずサタン殿乾かしていただけるか?」

サタン「ほい」
ゴオッ!じゅっ!
悠「あちっ!ちょっと!熱い!」

サタン「文句が多いのだ」

千世子「生まれたのは男の子で、ソフラープと名付けられ、英雄の血筋を受けて超人的にたくましい少年に育つのだ。そして10歳になると、母親から3粒のルビーが埋め込まれた腕輪を渡され、自分が英雄ロスタムの息子であると知らされるのだ。」

摩耶「そのうち黒焦げになるかもね」

悠「怖いこと言ってくださる」

亘理『いや、普通に一瞬炎に包まれたし』

サタン「燃えない炎なのだ」

悠「軽く火傷しかけたんだが」

千世子「ソフラープは大いに喜びますが、トゥラーンとイランは相変わらず仲が悪く、彼も王の命令を受け、一軍の将として、戦場へ出陣することとなってしまうのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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