ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ぐずついた天気と台風の出待ち」

摩耶「秋だねぇ」

亘理『台風また来るんだ』

悠「しかもデカいのがな」

神姫「雨だけでもジトジトしてるのに嫌だわ」

悠「今の嫌だわの言い方がなんか良かった」

神姫「は?」

悠「いえ、なんでもないっす」

サタン「なんで台風がよく来るのだ?」

悠「色々な理由が重なってとしかいいようがない。だって自然現象だもん。みつお」

サタン「誰なのだ」

千世子「次の台風ってどんな感じなのだ?」

悠「カーブを描いて列島横断シャークネード」

摩耶「余計なのついてる」

悠「台風来るたびに鮫が降ってないかびくびくしてチェーンソーが手放せない」

神姫「たたの病気か変態ね」

千世子「また列島横断なのだ?」

悠「東シナ海で勢力が強まる、進路を東に変えて急加速、広いエリアで暴風に警戒だとさ」

摩耶「去年の18号かな?」

悠「人造人間?」

神姫「いちいち話の腰折らないと進められないの?」

悠「おれがボケることによって話に花を添えてるんじゃないか」

摩耶「ラフレシアかな?」

悠「そんな悪臭のドキツイ花ではない!」

サタン「魔界のオジギソウとかなのだ?」

悠「誰が蔵馬やねん。っか、よく蔵馬知ってたな」

サタン「漫画を読んだのだ」

悠「だろーな」

サタン「ちなみに魔界のオジギソウは見たことないけど、魔界のイチゴならあるのだ。」

悠「どんなのだ」

サタン「こんなのなのだ」

魔界イチゴ【ガキンガキン】

悠「動いてるっか、イチゴに歯がついて食いちぎろうとしてるんだが」

摩耶「わー、過激なパックフラワー亜種みたい」

千世子「ちっちゃいのが逆に怖いのだ」

亘理『観賞用?』

悠「この音がなり続けてたら観賞どころじゃないだろ」

サタン「ふん!」
ブチッ!

神姫「千切ったら歯がなくなった?」

サタン「これで普通に食べられるのだ」

悠「さっきまで牙向いてたものを普通には食べたくないんだが」

サタン「味は悪くないのだ。」

悠「ホントかよ」

サタン「ただ、早めに食べるなり潰すなりしないと」

魔界イチゴ『ガブシッ!』

悠「ぎゃあ!噛まれた!わりとしっかり痛い!!」

サタン「あんな風に起きるのだ」

亘理『悠ちゃん!早く潰して!潰して!!』

悠「うおおぉっ!」
ぶちゅっ!ドロドロ

千世子「あ、すごいイチゴの香りなのだ……。」

摩耶「でも、果汁にしては真っ赤だよね」

悠「おれの血だよ!」

サタン「吸血した血液を果汁に変えるのだ」

神姫「食いちぎるための歯じゃなくて吸血用なのね。」

悠「いや、冷静に分析してないでさぁ、ちょっとティッシュかなんかちょうだい……」
ドクドクッ
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