ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「石焼」

摩耶「ビビンバ」

亘理『芋じゃないの!?』

悠「そういう先入観はよくないぞ」

千世子「先入観の問題なのだ?」

悠「そうだよ。」

亘理『いい切った』

摩耶「いつか自分で後悔して苦しみもがけばいいのに」

悠「先入観うんぬんでおれはどれだけ苦しむの?」

累「アイアンメイデンとかにはいればいいんじゃない?」

リリス「見てみたーい!」

悠「そんな手品感覚で見せるもんじゃねぇから」

累「いいじゃん。どうせ苦しむのは私じゃないし」

リリス「アイアンメイデンじゃ苦しんでる絵面は見えないしね。」

亘理『そうなの?』

神姫「端的に言えば棘付きの箱に閉じ込められるってことだから苦しむ声は聞こえても顔は見えないわね。」

摩耶「顔の部分は開閉するんじゃないかな?」

累「累は顔の部分にももれなく針が刺さっているのがいいです。」

悠「コイツ狂ってやがる」

神姫「今さら?」

悠「……確かに」

累「狂ってるとか失礼な。」

リリス「そうよ。ちょっと頭がおかしいだけよ!」

悠「この世界ではそれを狂ってるっていうんだよ。」

累「じゃあ、お前もだろ。そうとう頭おかしい部類だぞ」

悠「そんなことねぇよ。ギリギリセーフ、ギリセフだよ。」

亘理『せめて自信もってセーフっていおうよ』

神姫「無理でしょ」

摩耶「悠君は正常とアウトを反復横飛びしすぎてるだけだから。狂ってるじゃなくて倫理がガバッてるだけ。」

悠「そんなRTA走者みたいな言い方されたのは初めてだ」

神姫「してないと思うわ」

累「じゃあアイアンメイデンはいいからどっちんの腕をノコギリでひかせて。半分くらい」

リリス「切断しなきゃいけなくなる程度に傷つけて、だけどそこまではやらないという飽きっぽさ」

亘理『飽きる飽きないじゃないでしょ。』

悠「そんな状態になる前に発狂するか意識を手放すか、これでカイトと同じになれたか…」

摩耶「ゴンさん…」

神姫「そういうギャグ挟める余裕はあるのね。」

悠「実際に今切られてるわけはじゃないからな。」

累「じゃ、鋸いこうか」

悠「おれはフェミニストだが、お前に対しては容赦なく顔面に拳叩き込めるぜ?」

婀娜「その拳をーたたきこめー!えんどざわーぁーるどぉー!」

リリス「耳が腐る」

神姫「音程どころの問題じゃないわね…」