ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「困るんデスよねー」

サタン「我は悪くないのだ。」

悠「なんだどした?」

千世子「卵なのだ」

悠「たまごぉ?」

摩耶「ほら、フェニックスの」

悠「ああ、あれは美味かったな。しかも食った効果なのか打ち身になってたところが治ったわ。」

摩耶「僕も擦り傷が治ってた」

亘理『あ、私もささくれが治ってたよ』

神姫「いわれてみればちょっと喉が痛かったのがなおってたわね。私も」

悠「雨は胸とか大きくなったか?」

雨「私の胸が小さいのは病気やケガじゃない!」

悠「Hahaha~。それであの卵がどうしたんだ?」

メフィスト「どーシたもこーシたもフェニックスの卵は貴重なのデース。ましてや食べるなんて……もー!」

サタン「我がもらったものをどうしようと割れの自由なのだ!」

悠「やっぱり貴重なものだったのか」

メフィスト「当然デース。死者すらも蘇生できる力を秘めた卵デスから。」

摩耶「リアル、フェニックスの尾かな。」

神姫「卵でしょ」

悠「……それ食ったけど平気なんだよな?」

メフィスト「平気デス。それどころかしばらく病気知らずデスよ。」

サタン「ふふん、我に感謝するのだ!」

亘理『でも、なんか貴重なものだったんだよね?』

メフィスト「貴重も貴重。本来なら孵化スるマで確保シておくべきものデース」

サタン「そんなことして何の意味があるのだ」

メフィスト「フェニックスが増えるじゃないDEATHか!!そうすればまた卵を産んデを繰り返シて……」

サタン「めんどくさいのだ」

メフィスト「……」

悠「すげぇメフィストが頭を抱えてる」

摩耶「金の卵を産む鶏の卵を売らずに食べるってパターンかな?」

神姫「ちょっと違う気がするわ」

悠「……あのさ、あの卵はもらったものであって盗んだわけじゃないよな?」

サタン「当たり前なのだ。フェニックス直々にもらったのだ。」

亘理『フェニックス自身に!?』

メフィスト「サタンさんの魔界領土にフェニックスの巣があるのデース。」

サタン「魔界でもたいていの生物が死に絶える魔獄火山なのだ。フェニックスは渡り鳥で何百年かに一度やってきて休んだり卵を産んだりするのだ。」

メフィスト「卵を産むこと自体が稀有なんデスよ……。上位悪魔でも欲しがるほどに……」
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