ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ひゃー、すっげーあめかぜー」
ザババ

摩耶「窓閉めようか」

悠「はい」

雨「なんで開けたんだこのバカ野郎は」

悠「開けて見ないと外の臨場感が伝わらないだろアメンボ」

雨「蜘蛛だボケ!」

亘理『ふひっ、ぷぷくふふっ』

千世子「亘理ちゃんどしたのだ?」

神姫「なんかツボに入ったみたいよ」

悠「やっぱりおれは面白いんだな!」

雨「うざい。」

サタン「なんか部屋がじっとりしてるのだ」

悠「そりゃこれだけ雨降ってるんだからじっとりもするだろうさ。」

摩耶「窓開けてたやつが言うセリフではないよね。」

悠「えへっ」

神姫「殴りたいその笑顔」

悠「守ってくださいこの笑顔」

雨「苦痛にゆがめ」

悠「べー」

雨「シンプルニコロシタイ」

摩耶「知性を生贄に殺意が解放されてるね」

悠「野生解放かな?ターン終了時に破壊されちまうぞ?」

神姫「そもそも獣系・獣戦士じゃないでしょ」

悠「虫族だわな。虫よけバリアーでOk」

冥「皆さん、ゆで上がりましたナ」

悠「なにが?」

冥「卵ですナ」
ドンッ!

千世子「わー……本当にフェニックスの卵を茹でたのだ?」

悠「っていうか、めっちゃブルンブルンしてるな。ゼラチン質が多いのか?」

摩耶「どうやって食べるのが正解なの?」

サタン「ナイフで削ぎ切って食べたらいいのだ。」

神姫「ケバブみたいね。」

冥「どうぞですナ」
ブルルン

悠「ゼリーの塊みたいな揺れ方しとる。どれ、アムっ……んー、なんだろ、なんかよく分からんけどうまい。滑らかで口に含んだら溶けるぞ、これ。」

摩耶「あ、ホントだ。スープみたい。」

神姫「濃い味ではないけど優しくて後味引く味ね。」

サタン「白身は淡泊だけど逆に黄身は濃厚なのだ。」

悠「マジか。管理人ちゃん、黄身の部分ちょうだい。」

冥「はい、どーぞですナ」
ぶるぶる

悠「うわ、黄身が黄色じゃなくて赤だな。どれっ、あむっ……うっ、うわっ!濃厚でねっとり絡みついてくる。でも、これアレだわどっちかを単体で食うより両方一緒に喰うのが正解っぽいぞ」

亘理『へー、やってみよう。』

サタン「ちなみに卵の殻も美味しいのだ。」

悠「そこも食えるのか。管理人ちゃん、からは?」

冥「……けぷっ。」

悠「あれれー?」
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