ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「そういえばお前って魔王らしいことしないの?」

サタン「……」

悠「いや、誰にいってるんだろって顔してるお前だからな。サタン。」

サタン「我なのだ?」

悠「他に魔王は…」

神姫「……」

悠「いないだろ」

神姫「なんで一瞬、私の方を見たのかまずその話を聞かせてもらえるかしら?」
ガシッ
悠「あらまぁ……気がつかれてた」

千世子「そして逃がさないように肩を掴まれてるのだ」

悠「肩どころか関節の間に指くい込まされてるからめっち痛い」

神姫「で?」

悠「神姫のオヤジこと道玄は魔王と同じようなもんかと思いました!」

神姫「ああ、そっち。それならいいわ。」
パッ
悠「あちき許された」

摩耶「神姫さんが魔王っていってたら、どうなってただろうね。」

悠「そんなことより、サタン、どうなん?」

サタン「そもそも魔王の仕事ってなんなのだ?」

悠「質問に質問に返すなぁー……は、置いといて、魔王の仕事といったら世界征服、姫の誘拐、焼酎」

千世子「焼酎?」

神姫「魔王って焼酎あったわね確か」

千世子「つまりまとめると……」

摩耶「世界を征服しつつピーち姫を攫って」

神姫「焼酎を飲む」

亘理『半分クッパかな?』

悠「クッパも魔王やんけ!」

亘理『なんでちょっと怒ってるの?!』

サタン「世界破壊なら一分で出来るのだ」

悠「征服と破壊は違う」

サタン「別に征服はしたくないのだ。」

悠「じゃあ、姫の誘拐」

サタン「そんなことしてどうするのだ。」

悠「凌辱」

神姫「……」
ガシッ!
ゴッ!
悠「かどっ!」

摩耶「机の角を顔で受けても平気なのは悠くんだけ」

悠「……」
ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

サタン「焼けたアスファルトのうえに落ちたミミズみたいな動き方してるのだ」

千世子「これアカン奴じゃないのだ?」

神姫「平気よ。むしろ、今からよ。」

亘理『今から?!』

悠「ちょっと待って、鼻と眉間の間に机の角は流石にキツイ……」

サタン「そういえば世界はいらないけど魔王城は欲しいのだ」

摩耶「魔王殿?」

悠「アラケスが住んでそうだな。」
ダラダラ

千世子「あんちん、痛いところを押さえるより鼻からでてる血を止めた方がいいのだ」