ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「もはや夏グッズが撤去されてハロウィン商品が敷き詰められてる百円ショップ」

摩耶「夏は死んだもういない」

悠「ガンガン暑いから夏は生きてる」

亘理『だとしたらしばらく夏が生き続けるよ』

悠「いいじゃないか!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。エメラルドには宝石としての価値ばかりではなく、パワーストーンとして効力にも絶大なものがあり、古来より「治療・治癒の石」とされてきたのだ。肉体的な痛みや疲れ、とくに疲れ目や視力回復を助けるという説、記憶力を高めるという伝承が非常に多く聞かれるのだ。」

神姫「暑いのはさっさと過ぎて欲しいわ」

悠「でも、暑いからいいこともあるじゃないか」

神姫「例えば?」

悠「水着が着れる」

神姫「ブチ切れてもいいのよ?」

千世子「ギリシャやローマでは「ヴィーナスに捧げる石」と呼ばれ、誰にとっても害がなく、持ち主とその周囲に調和をもたらすといわれるのだ。」

悠「とまぁ冗談は置いといてほら冷たい物が美味しいじゃないですかねぇ。」

摩耶「必死な弁解」

サタン「別に冬でも冷たい物が美味しいときは美味しいのだ」

悠「そら、そーやな。」

摩耶「そもそも悠君は夏に鍋物ガンガン食べる人だし季節感云々はあまりないよね。」

千世子「このことから、恋人同士、夫婦の愛の絆を堅固なものにしたり、人間関係などに悩んでいるときには、エメラルドが助けになるとされるのだ。魔除けとしての効力も伝えられ、魔女はエメラルドのある場所に近づかないと言う伝説もあり、夫や彼氏の浮気封じ、幸せな結婚生活を送れるという暗示があるのだ。」

悠「夏に熱い物を食べるのは季節行事だろ」

神姫「どんな行事よ」

摩耶「我慢大会かな」

悠「じゃあそれで」

神姫「じゃあってなによ、じゃあって。」

千世子「さらに性暴力を免れる暗示もあるので、ストーカーや痴漢に悩んでる人にも効果があるというのだ。ちなみに、エメラルドはヴィーナスに捧げられたことから、女神の宿る金曜日に身に着けるとその効力が最大限に引き出されると言われてるのだ。以上、エメラルドのじゅぎょーだったのだ。」
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