ー奇談ー學校へ行こう(2)5
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「……ぐぅ」
亘理『あれ、悠ちゃんねてる?』
悠「ねてねぇーよぉ……ぐぅ」
亘理『……起きてる?』
悠「ねてますんむにゃむにゃ」
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。コロンビアのエメラルド鉱山での採掘現場は、まさに魑魅魍魎がたむろする世界といっても過言ではないのだ。鉱山に集まる膨大な数の鉱夫たち……。実際、鉱夫には違いないのだが、大半は正規の工夫ではなくグワケーロ(盗掘者)と呼ばれる泥棒たちなのだ。」
神姫「むにゃむにゃいってる奴が寝てるわけないわよ」
悠「神姫がむにゃむにゃとか可愛いこと言った件について。むにゃむにゃって!」
神姫「ぐちゃぐちゃにしてあげましょうか?」
悠「いえ、遠慮しておきます。」
摩耶「悠君が永眠しそうな件について」
千世子「エメラルドは黒色の岩の中を走る白い方解石脈に入っていて、露天掘りやトンネルから母岩ごと採掘された原石をブルドーザーで採取するのだ。この大ざっぱな方法では取りこぼしが出るのだが、それを目当てにした不法採掘者たちが何万人という単位で群がるのだ。」
悠「気絶程度で済むぐらいがいいなぁ」
サタン「ここで気絶した方がきっと酷い目に遭うのだ」
累「油性ペンいや、彫刻刀」
リリス「墨入れよう墨。」
悠「本当の地獄はここか」
千世子「彼らは鉱山近くの川の下流や川岸で雨露をしのぐだけのテント暮らしをしながら、昼も夜もこうして採掘されたエメラルドをかすめ取ろうと狙っているのだ。鉱山側としても、不法採掘者たちを追い払うために管理者や私兵、警備員などを雇い、他にも正規の警察がいるのだが、実はこれら取り締まる側も不法採掘者と一緒になって盗みを働いたり、分け前をピンハネしているというのが実情なのだ。」
摩耶「地獄の沙汰も金次第だよ」
悠「おれ知ってるんだああいう奴らには金を払っても無駄って。むしろ金を奪ったうえでヤバいことされるって」
累「とうぜん」
リリス「お金で動くと思わないで!」
悠「お金でとまれといってるんだ!」
千世子「鉱山街では、これらの人々が目当ての食堂、酒場、賭場、果ては娼婦たちで活況を呈していますが、喧嘩やエメラルドの奪い合いなどで殺人沙汰は日常茶飯事だったのだ。これも1990年ごろには落ち着いて、以前と比べれば格段に少なくなったといいますが、それでも1日1~2件は殺人事件が発生しているのが現状なのだ。今日はここまで続きは次回なのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「……ぐぅ」
亘理『あれ、悠ちゃんねてる?』
悠「ねてねぇーよぉ……ぐぅ」
亘理『……起きてる?』
悠「ねてますんむにゃむにゃ」
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。コロンビアのエメラルド鉱山での採掘現場は、まさに魑魅魍魎がたむろする世界といっても過言ではないのだ。鉱山に集まる膨大な数の鉱夫たち……。実際、鉱夫には違いないのだが、大半は正規の工夫ではなくグワケーロ(盗掘者)と呼ばれる泥棒たちなのだ。」
神姫「むにゃむにゃいってる奴が寝てるわけないわよ」
悠「神姫がむにゃむにゃとか可愛いこと言った件について。むにゃむにゃって!」
神姫「ぐちゃぐちゃにしてあげましょうか?」
悠「いえ、遠慮しておきます。」
摩耶「悠君が永眠しそうな件について」
千世子「エメラルドは黒色の岩の中を走る白い方解石脈に入っていて、露天掘りやトンネルから母岩ごと採掘された原石をブルドーザーで採取するのだ。この大ざっぱな方法では取りこぼしが出るのだが、それを目当てにした不法採掘者たちが何万人という単位で群がるのだ。」
悠「気絶程度で済むぐらいがいいなぁ」
サタン「ここで気絶した方がきっと酷い目に遭うのだ」
累「油性ペンいや、彫刻刀」
リリス「墨入れよう墨。」
悠「本当の地獄はここか」
千世子「彼らは鉱山近くの川の下流や川岸で雨露をしのぐだけのテント暮らしをしながら、昼も夜もこうして採掘されたエメラルドをかすめ取ろうと狙っているのだ。鉱山側としても、不法採掘者たちを追い払うために管理者や私兵、警備員などを雇い、他にも正規の警察がいるのだが、実はこれら取り締まる側も不法採掘者と一緒になって盗みを働いたり、分け前をピンハネしているというのが実情なのだ。」
摩耶「地獄の沙汰も金次第だよ」
悠「おれ知ってるんだああいう奴らには金を払っても無駄って。むしろ金を奪ったうえでヤバいことされるって」
累「とうぜん」
リリス「お金で動くと思わないで!」
悠「お金でとまれといってるんだ!」
千世子「鉱山街では、これらの人々が目当ての食堂、酒場、賭場、果ては娼婦たちで活況を呈していますが、喧嘩やエメラルドの奪い合いなどで殺人沙汰は日常茶飯事だったのだ。これも1990年ごろには落ち着いて、以前と比べれば格段に少なくなったといいますが、それでも1日1~2件は殺人事件が発生しているのが現状なのだ。今日はここまで続きは次回なのだ。」