ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「雨だー!」

雨「……」

悠「こっちも雨だー!」

雨「頼む。ホントに死んでくれ。」

悠「お断りします。」

【エメラルド】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。エメラルドは日本名で「翠玉」または「緑玉」といい、もっとも稀有高貴な美しい緑色をしたものなのだ。「べリル」という鉱石で「アクアマリン」と同じ種類なのだ。天然のエメラルドは、石の中に細かい傷があるのだ。傷が細かいものほど良い状態で価値があるのだ。そして、比較的固い鉱石なのですが衝撃には弱いのが特徴なのだ。エメラルドの多くは四角く、角もカットされているのだ。他の宝石ではあまり見かけない形で、これは「エメラルドカット」といい、エメラルドの輝き・美しさを最大限に引き出し、さらに衝撃で壊れるのを防ぐカットなのだ。」

摩耶「久しぶりの雨だね。」

悠「これで少しは涼しくなるな」

神姫「むわっとするだけだと思うわ。」

亘理『それはやだなぁ。』

悠「じゃあ、水着で過ごすのはどうだろう。どうだろう?」

千世子「エメラルドグリーンは生命、そして永遠なる春の色なのだ。古代ローマでも、グリーンは愛と美の女神ビーナスに捧げられた色なのだ。素晴らしいエメラルドグリーンは調和、愛と生命の喜びを伝達するのだ。この色が明るい日光と人工的な灯火の間で徐々に変化していくときでも、その鮮明なエネルギーは維持しているのだ。」

神姫「でも、今週は少し天気崩れるみたいね」

悠「無視された」

摩耶「相手にするのすら嫌になったんじゃないかな」

悠「そっかー。辛いなぁ。」
グーー
雨「もたれかかんな!」

千世子「」コロンビアは良質なエメラルドの産出国で、およそ150の鉱脈が知られているのだ。鉱脈の中でも一番有名なのはムゾーとチボール。そこでは、インカ時代にエメラルドを採掘していたのだ。経済的にもっとも重要な高山はコスケスで、コロンビアの現在の生産の3/4がこの鉱区からのものだと推測されているのだ。」

摩耶「でも、少しぐらい涼しくなってくれないと、いい加減ほんと倒れそうになる。」

亘理『大丈夫?』

摩耶「無理な時は諦めるから」

神姫「諦めちゃダメでしょ」

悠「駒狸汁毎日送るよ」

千世子「良質のエメラルドは、ザンビア、ブラジル、ジンバブエ、マダガスカル、パキスタン、インド、アフガニスタンなどの国でも見出されているのだ。とくにザンビアのエメラルドは素晴らしい透明度を持ち、美しいとされているのだ。その色はコロンビアのそれよりも濃く、青みがかっているのだ。ジンバブエのサンダワナ鉱山のものは、小さいけれど、鮮やかな恋グリーンでしばしば黄色がかっているのだ。そしてブラジルのノバエラ鉱山は、有名なコロンビアのエメラルド鉱山にも対抗するくらいなのだ。今日はここまでなのだ。」
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