ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「セミって喧嘩売ってるよな」

雨「はぁ?」

悠「蜘蛛じゃなくてセミの話だ」

雨「ならなんで私にいう」

悠「おれに構って欲しいんだろ?」

雨「シンプルにブチコロシタイ」

悠「カタカナ多いな」

摩耶「それでセミがどうしたの?」

雨「いや、それでじゃない!」

悠「今週に入って8匹もセミの突撃弾丸アタックを喰らったんだ。」

神姫「あら、面白い」

悠「誰かが見てたんなら面白いかもしれないけど大抵はひとりの時だから」

千世子「あんちんはデカいからセミの制空圏にはいっちゃってるのだ。」

サタン「バリアを張ってればいいのだ」
ヴォンヴォン

悠「……」

サタン「なんなのだその目は」

悠「人間ができる範囲のことと魔王系ができる範囲のことをそろそろ学んでほしいなっていう目」

摩耶「でも悠君は一瞬ならバリア張れるよね。」

悠「セミ一発に対して風衝壁は過剰だと思う」

神姫「そこまでしなくても風の流れを逸らせてセミの軌道を変えたらいいじゃない。」

悠「おれの龍剄技術ではそんな細かな操作はできない。」

神姫「夏休みなんだからダラダラしてないで朝から朝まで鍛錬しなさいよ。」

亘理『朝から朝……オールしてる?』

摩耶「しょっちゅうゲームでオールしてるし平気だよね。」

悠「鍛錬とゲームは違いますよね?」

摩耶「でも、人生は大きなゲームじゃん?セーブとリセマラ不可だけど」

悠「……一理ある」

雨「ねぇよ。」

神姫「炎天下に表に出て鍛錬し続けなさいよ。」

悠「ははーん、悠くん気づいちゃった遠回しに殺そうとしてるなぁ?」

千世子「その程度じゃあんちんは死にはしないと思うのだ」

悠「でも、良い感じには弱らせられるよねきっと。」

神姫「きっと静かになるわね。」

悠「道路で死んでるセミみたいになっちゃう」

摩耶「セミと同類だった?」

悠「おれはあんな突進しないし。」

千世子「あの、地面で裏返ってるのに近づいたらいきなり羽ばたいてうごめくセミは嫌なのだ。」

悠「足見ろ」

千世子「あし?」

悠「裏返ってるセミの足が全部閉じてたら死んでる、開いてたら生きてる。これで判断できる。」

摩耶「虫て基本死んだら足縮めるよね」

悠「蜘蛛とかな」

雨「ああぁん?」
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