ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんかここ来る途中にスーパー寄ってアイス買おうとしたら売り切れてたんだけど」

摩耶「えっ、全部?」

悠「いや、爽が」

サタン「そうなのだ。」

悠「……なんだ、季節は冬になったか?」

サタン「サタンパンチ!」
ドコッ!
ゴッ!ドザッ…
悠「効かぬ!」
ビクンビクン

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。古来からダイヤモンドは、全ての毒を中和する万能の解毒剤であると信じられてきたのだ。身に着けるだけで心を強くし、いわれなき恐怖を退けるというのだ。」

摩耶「強い言葉で返してるけど床でのたうってるね。」

神姫「日中のアスファルトのうえに落ちた芋虫みたいね。」

累「きもーい」
リリス「きもーい」

悠「やかましいぞ。悪魔ちゃんども!」

摩耶「でも、別のアイスは買ってきたんだよね?」

千世子「また健康や活力を保ち、周囲との調和を促す効果もあるという言い伝えもあったのだ。中世ヨーロッパでは、どんな邪悪な魔法にも打ち勝つことができる最高の護符として、多くの人に求められていたようなのだ。」

悠「ピノと雪見大福で迷ったんだけどな。雪見大福にしたわ。」

神姫「迷うって……ピノ食べれないでしょ?」

悠「チョコの部分を誰かにうまいこと齧ってもらえばイケる。」

亘理『はい?』

神姫「泥でも齧ってなさいよ」

悠「酷いっ!」

千世子「石言葉として「純粋・清浄無垢」という意味を持つダイヤモンドは、婚約指輪にもよく使われるのだ。フランスでは「怒りを抑え、夫婦の絆を守ってくれる石」と、またロシアでは「貞操を守ってくれる石」とされているのだ。」

悠「あと、アイスの実も買ってきた。これ濃厚でうまいよな。」

摩耶「三つ目ぐらいで口の中が凍傷かあたまが痛くなるよね。」

悠「冷えっ冷えだからな。」

亘理『食べないの?溶けちゃうよ?』

悠「ドロドロに溶けたアイスのみをすするのも結構うまいんだぜ?」

摩耶「それはない」

千世子「現在では、精神力を強くし、倫理的な思考を助け、潜在能力を目覚めさせる力を持っているとされたのだ。さらに神経や感覚器官、頭脳の働きを高める効果も持つとのことなのだ。宝石と同じ素晴らしい輝きを、持ち主にも与えてくれるのだ。以上、ダイヤモンドのじゅぎょーだったのだ。」
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