ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「最近やさしさが足りないと思う」

摩耶「具体的に。」

悠「おれに対する優しが足りないと思う。もっと甘やかしてどうぞ。」

神姫「……」
スッ、グッ

悠「右手がグーで左手がパー?」

神姫「殴られるのと平手どっちがいいか選んでいいわよ。

悠「ほほう。それは……優しくないな。」

摩耶「選択肢があるだけ優しいんじゃない?問答無用でぶん殴られたりしになくて」

悠「なるほどな。」

神姫「残念時間切れよ」
パンッ!ゴッ!
悠「ぎゃっ、ぐぇぁっ!」

千世子「ダブルアタックなのだ」

摩耶「軍隊みたいだね。」

サタン「どういう意味なのだ?」

摩耶「まず平手を打って緊張を緩ませてボディに一撃。崩して打つっていう一つのコンボだね。」

悠「そして完全に油断してる状態からぶちかまされたおれは平手もブロウも十分に痛いでござる。」

雨「歯の一本でも折れればよかったのに」

悠「お前の蜘蛛足一本一本に靴下はかしてやろうか!!」

雨「ぶっ飛ばすぞ!」

亘理『特に害もない気がするけど…』

神姫「バランスとかが狂うんじゃない?」

摩耶「虫は触覚を無くすと方向感覚が狂うっていうけどね。足はどうなんだろう?」

悠「ちなみに机とかの足につける靴下を履かせてなっかなか取れないようにがちがちに縛るつもりだった。」

雨「……」
ズドッ!ズドッ!
サッサッ!
悠「……」

千世子「無言刺突、無言の完全回避なのだ。」

亘理『机の足の靴下って何?』

摩耶「本来は床を傷つけないようにするためのものだね。」

神姫「アレ気を付けないと、素材が合わなくて滑るようになるものとかあるのよね。」

悠「あるある。あと棚のしたに地震対策の滑り止めを置こうとして棚が倒れたり。」

神姫「それは無精して棚を傾けておこうとしたりするからでしょ」

悠「ナゼバレタシ」

千世子「あんちん、そういうことしてるといつか大変なことになるのだ。」

摩耶「それは違うよ。もうすでにいくつものたいへんなことになってきた後だよ。」

悠「へへっ」

千世子「笑ってる場面じゃないのだ」

神姫「もう一発殴っといた方がイイかしら」

雨「私の恨みの分もブッ飛ばしてちょうだい!」

神姫「それは自分で晴らして」

雨「……」

千世子「もうすこしみんな雨ちゃんに優しくしてあげるのだ。」
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