ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「はっはっはっ、昨日熱中症起こしかけてぐわんぐわんしたわ。」

神姫「笑い話?」

悠「無事だったから笑い話として話せてるんだわよ。」

神姫「なるほどね。笑い話にならなかったらよかったのに」

悠「神姫はツンデレだなぁー。ハッハッハッ」

神姫「……」
ベキッ

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。古来からダイヤモンドは、その硬さと希少性ゆえに注目を浴びてきたのだ。旧約聖書の「エレミア記」にも、新年の固さの象徴としてダイヤモンドの名前が登場しているのだ。力や権威を示す石としても知られており、王や神官など、身分の高い人々が守護石として手元に置いていたようなのだ。」

摩耶「ボールペンが握り折られたね。多分、悠君の未来を暗示してるんだろうね。」

悠「勇気と幸運を送って欲しい」

亘理『ジョジョかな?』

悠「その血の運命!ジョーーージョ!」

神姫「うるさい」

悠「はい」

千世子「しかし、今でこそ最高の宝石として認識されているダイヤモンドですが、実は歴史の長きに渡り、それほど重要視はされていなかったのだ。地上最高の硬さが仇となり、どんな手段を使っても満足に加工することができなかったのだ。そのため、その真の美しさは知られないまま、単なる「硬い石」として扱われてきたのだ。」

摩耶「けど、やたら元気だよね」

悠「しっかりと栄養とってきたからな。駒狸汁濃縮タイプで」

摩耶「めんつゆみたいだね」

悠「めんつゆより見た目は黒かった」

亘理『めんつゆより黒い液体って何?コーヒー?』

悠「駒狸汁だよ」

千世子「状況が一変したのは、15世紀になってのことなのだ。ベルギーの金細工師であったロドウィック・ヴァン・ベルケムは、ダイヤモンドを使ってダイヤモンドを研磨する方法を発見したのだ。磨かれたダイヤモンドの美しさは瞬く間に知れ渡ったのだ。」

神姫「飲む点滴って例えはあるけど駒狸汁の場合は何て例えがぴったりかしら」

悠「……覚醒いや、なんでもない」

摩耶「不審なワードがこんにちはしてたね。」

悠「しんぷるに元気になる危ないけど危なくない薬かな」

亘理『シンプルってなんだっけ?』

千世子「さらに17世紀に「ブリリアントカット」というカット方法が発明されたことで、宝石としての名声は最高のものとなったのだ。どんな宝石よりも美しく輝くダイヤモンドを世界中の人々、貴族たちはこぞって求めたのだ。以降ダイヤモンドは「宝石の王」として広く認識されるようになったのだ。続きは次回なのだ。」
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