ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あぢー、ちょっと涼しぃー……」
シャリシャリシャリシャリ

摩耶「ほら、頑張って回してどんどん氷削って」

悠「あ゛ぐー…」
シャリシャリ

千世子「かき氷機と化したあんちんなのだ。」

悠「誰が野獣先輩だ!」

神姫「言ってないわよ」
ベシッ!
悠「きゃいん!」

義鷹「コォォォォ。ほら、新しい氷できたぞ。」
ガキィン!

サタン「ほい、新しい氷なのだ。」

悠「うおおおぉっ!燃えろおれの右腕ーー!」
シャリシャリシャリシャリシャリシャリ!

累「燃やしたいなら火をつける?」

リリス「火炎放射器でいい?」

神姫「氷が溶けるでしょ。やめなさい」

「「はーい」」

悠「おれの腕への配慮ではなかった件について」

摩耶「(そんなもの)ないです。」

悠「泣けるぜ」

神姫「イチゴのシロップまだ残ってる?」

亘理『あー……今なくなりつつあります』

神姫「は?」

婀娜「ゴクッゴクッ、ぷはーイチゴ100%!」

摩耶「ほぼ人工甘味料だよ」

神姫「シロップを一気飲みしてると死ぬわよ」

悠「醤油の一気飲みもな」

摩耶「どっちも飲み物ではない件について」

神姫「しょうがないわね……。カルピスある?」

千世子「普通のと、ブドウとメロンがあるのだ」

神姫「普通ので」

亘理『かき氷にカルピスかけるの考えた人は天才』

悠「いや、でもよくよく考えたら結果的には水で溶いた通常のカルピスになるから普通なんだよな」

摩耶「でも、量の加減が難しいよね。かけすぎたら絶対に濃いし」

悠「夏は濃いぐらいがちょうどいいんだよ。おれはいつも濃い目だ」

摩耶「下ネタかな?」

神姫「はぁ…。」
スッ、パァン!
悠「うぎゃぁっ!そんな意図はなかったのにぃぃぃ!」

亘理『すごい良い音…』

摩耶「背中でよかったね」

悠「焼けてるみたいにジンジンしてるのが何が良いのか!!」

摩耶「顔面ぶん殴られなくて」

悠「そこまでやられるようなことはいってません!っか、せめてハッキリと意図していったときにやってよ!」

神姫「手止まってる」

悠「アッハイ」
シャリシャリシャリシャリ

義鷹「お前も生きにくい生き方してんな、ガリリッ」

亘理『うわぁ、自分で氷作ってマルカジリしとる…』
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