ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「おーい、みんなーアイスとか冷たい飲み物とかフルーツとか買ってきたぞ」

「「『わーい!』」」

摩耶「どしたの?」

悠「いや、もうここ来るまでに暑さがヤバかったから買いこんできた。おごりだから遠慮せず飲み食いしてくれ。」

神姫「あら、太っ腹ね」

【サンゴ】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。サンゴは本来鉱物じゃないのだ。サンゴ虫という海洋生物の残存骨格が集まって発達した、有機的な宝石なのだ。サンゴはいくつかの種類に大別できますが、宝石として扱われるのは「宝石サンゴ」「本サンゴ」と呼ばれる、枝状に発達する種類なのだ。サンゴ礁をつくるサンゴ虫は、より大きい種類で「石サンゴ」「造礁サンゴ」と呼ばれるのだ。こっちは宝石には向かないのだ。」

悠「こんな暑かったら冷たいものでも食べないとやっとれん」

摩耶「それで食べ過ぎてお腹を壊すまでがテンプレ」

悠「夏を……感じるなぁ」

亘理『そこで?!』

悠「夏の風物詩だ」

千世子「サンゴの多くは、赤、ピンク、白、青といった色を持ち、これらは炭酸カルシウムを主成分としているのだ。黒、金色のサンゴもあるのだが、こちらは主にコンキリオンからなっているのだ。もともと光沢はありませんが、研磨することでガラス状の光沢を持つのだ。正し熱や酸に弱く、色あせしやすいため、取り扱いには注意が必要なのだ。また硫黄分とはよく反応し、すぐに光沢を失ってしまうのだ。」

摩耶「食中毒とか熱中症もそうだな」

悠「風物詩だなぁ」

亘理『違うんじゃないかなぁ…』

サタン「暑さで倒れるなんて軟弱なのだ。我は溶岩の中でも泳げるのだ」

悠「ヴォルガノスって呼んでやるよ」

千世子「サンゴは昔から、薬として大事にされてきたのだ。古代ローマでは、膀胱炎・結石・腹痛の薬や、睡眠薬、血止めの薬として扱われてきたのだ。ヨーロッパでは、消化器系の病気、血液の病気、皮膚病、頭痛や痛風、果てはペストなど、ありとあらゆる病気の治療に効果があると思われていたのだ。」

サタン「誰が魚なのだ!」

悠「じゃあグラビモス」

サタン「サタンビーム!」
ズドォン!
悠「ぐあああっ!」

摩耶「ビームじゃなくて気弾っぽい」

千世子「また、むかしからサンゴは、魔法による呪いや悪霊などから身を守る力があると信じられてきたのだ。現在でもサンゴのお守りは、とくに子供や妊娠中の女性を災いから守り、幸運をもたらすものとして親しまれているのだ。」

神姫「ラージャンだったみたいね」

悠「そういえばアイツもビームはいて元気玉なげてきたな」

摩耶「スーパーサイヤ人にもなるしね。」

悠「ラージャン亜種がでたら赤色とか青色とか紫色にもなるのかな」

亘理『ゴッドだ』

千世子「以前はサンゴの主産地は地中海で、日本には江戸時代くらいまでシルクロード経由でしか入ってこなかったため、非常に貴重な宝石として扱われていたのだ。しかし、17世紀に土佐の沖合で赤いサンゴが発見されると、かんざしや帯留めに細工され、人々に広く行き渡るようになったのだ。その後19世紀になると、日本近海で良質なサンゴの漁場が開発され、一大産地となったのだ。サンゴが日本で三月の誕生石になっているのは、こういう理由があったのだ。以上、サンゴのじゅぎょーだったのだ。」
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