ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「夏だ!戦争だ!」

摩耶「サマーウォーズ?」

悠「いいや、化け物の子!!」

亘理『悠ちゃんがおかしい』

千世子「それはいつものことなのだ」

神姫「……」
パァン!
悠「……いてぇぇっ!」

亘理『今何か間があった?』

摩耶「一瞬叩かれたことを認識できなかったんだろうね。」

悠「恐ろしく速い手刀。おれじゃないと見逃しちゃうね。」

神姫「ビンタよ」

サタン「そもそも当たってるのだ」

悠「ふんっ見えてたとして避けれるかどうかは別だろ?」

サタン「……なんでえらそうにしてるのだ?」

悠「してますん」

サタン「どっちなのだ!」

摩耶「殴ればいいよ」

サタン「魔王パンチ!」
ドゴッ!
悠「うぅぅわっ!?」
ボゴッン!

千世子「ストツーの敗北時の叫びみたいな声でてたのだ。」

摩耶「エコーがついてたら完璧だったね。」

悠「負けてねぇ!おれは負けてねぇぞ!!」

神姫「壁にめり込んだまま言うセリフじゃないわよ。」

悠「これはアレだ。うるわしのアバロン状態なだけだ」

サタン「どういう状態なのだ?」

神姫「ロマンシングサガ2のある場所で話しかけ続けるとずっと後ろに飛び下がっていって最後は壁にめり込むの」

悠「つまりおれの状況だ」

千世子「あんちんは自分からめり込んだわけじゃないのだ」

悠「……ダイバーダウンで壁の中に潜行した!」

摩耶「あと何パターンぐらい、いいわけできるかな」

悠「とりあえず壁から引っ張りだして、教室の隅で猟銃を構えてる悪魔っ娘がいる!」

累「ステンバーイ、ステンバーイ……」

サタン「あんなものじゃ撃たれてもこそばいだけなのだ。んしょっ!」
ズボッ!
悠「魔王と一緒にすんじゃねぇ!」

サタン「引っ張りだしてもらってなんなのだその態度は!」

悠「めり込んでたのもお前が原因ですけどね!」

亘理『これ、また冥ちゃんが怒るね』

悠「自然修復するまでカーテンでも張っとけ」

神姫「何もない壁にカーテンはってどうすんの」

悠「とりあえず誤魔化せる」

神姫「不自然過ぎて誤魔化せてないから」

悠「じゃあ、ポスターでいいかな。ちょうどここに橋をバックにあっあっああっーって書いてるポスターがあるから」

千世子「なんなのだその変なポスター」

悠「香川県の観光案内ポスター。まったくなにも伝わらなくてすごいだろ。」

神姫「むしろ何でそんなものを持ってるのか……」
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