ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「くんくん」

摩耶「手がどうかしたの?」

悠「とくになにも触ってないのに……酸っぱい匂いがする」

神姫「腐ってるんじゃない?」

悠「腐敗はしていない!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。アクアマリンの主要な産地はブラジルなのだ。質、量ともに抜群で、美しい石がたくさん採取されるのだ。ミナス・ジュライス地域のサンタマリア鉱山は代表的な産出地で、かつては非常に色が濃い、高品質のアクアマリンがたくさん採取できたのだ。しかし、現在ではほとんど採れなくなっているのだ。ブラジルにはそれ以外にも、マランバイア渓谷やフラージ渓谷など、有力な鉱床が多数存在していますが、ミナス・ジュライス産に比べると石の色が薄い傾向があるのだ。」

亘理『悠ちゃん腐ってるの?』

悠「誰が腐男子だ。ガッツリドスケベだよ!」

摩耶「会話としては成り立ってない気がする。」

神姫「思いっきり頭ぶん殴ったらつながるかもしれないわよ」

悠「つながるって何と!?」

千世子「ロシアのウラル山脈やシベリアも、かつては多くの素晴らしいアクアマリンを産出していたのだ。この地で採れ、ロマノフ王家のコレクションとなっていたアクアマリンは、1995年にロンドンでオークションにかけられ、非常に高値がついたのだ。しかし、残念なことに今では掘り尽くされてしまったのだ。」

神姫「チャンネル(周波数)がよ」

悠「毒電波とか受信しそうで嫌だわ」

摩耶「何の光?」

悠「光が逆流する!」

サタン「既におかしな電波を受信してる気がするのだ」

千世子「モザンビークやマダガスカルでも、濃い水色をした、品質のいいアクアマリンが産出されるのだ。ナイジェリアでも良質のアクアマリンが採れますが、インクルージョン(不純物)が多いため、商品としての価値は多少劣るのだ。パキスタンやアフガニスタンでは、透明度が高く、結晶の形が美しいアクアマリンが採れるのだ。ただし、色が薄いため宝飾用途よりは標本用として人気が高いのだ。」

悠「そういえばNHKだけ受信しないテレビが発売されるそうだな。」

神姫「他のチャンネルは受信するわけ?」

悠「配線をつなげれば」

摩耶「それってモニターっていうんじゃない?」

悠「…だよなぁ。」

千世子「日本でもアクアマリンは採取できるのだ。岐阜県苗木、茨城県山の尾、佐賀県杉山、福島県石川などが産地として知られているのだ。ただし、日本で採れるものは濁ってることが多く、また結晶も小さいため、宝石としては流通しないのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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