ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うるとらザーザー雨ーーーっ!」

雨「……」

悠「あーめ、あーめっ、あーーめっ!!」

雨「……よし戦争だ。」
ざわっ!

悠「しかし、この雨は本格的にヤバいな」

千世子「アレだけいじっといて完全無視なのだ。」

悠「虫だけに!!」

千世子「……」

雨「マジで川とかに飛び込んでくれ」

悠「例えそうなっても意地でも泳いで帰ってやる」

摩耶「帰巣本能が高い」

悠「まぁ、そんなことよりこの雨はヤベーな。」

亘理『廊下とか雨漏りが酷いよ…』

悠「そういう時こそお前の出番だろ」

亘理『私?どゆこと?』

悠「穴あいてる箇所に入りこんで裏から修復する」

亘理『できないよ!』

悠「おいおい、天井直しだろ」

亘理『下りですっ!!』

悠「下るなら直すのもできるって」

神姫「その理窟はおかしい」

摩耶「っていうか、この校舎は自己修復するのになんで雨漏りしてるんだろ。」

悠「おおざっぱには直っても細かくは無理なんじゃね?」

摩耶「つまり……雨漏りしてる部分の屋根をぶち抜けば直る、と?」

悠「それだ!」

冥「それだ!じゃないですナ!」

悠「あはっ、冗談冗談。ほーら、喉こりこりぃ~」
コリコリ
冥「ゴロゴロゴロゴロ、ブブブブッ」

亘理『わー、すごい喉鳴らしてる』

摩耶「猫だねぇ」

悠「いまなら尻尾も触れる」
スッ
冥「……」
バリッ!バリッ!

千世子「あんちんの顔が升目になったのだ」

神姫「○×出来そうね。」

悠「○×より治療してください…」

摩耶「とりあえず、顔拭いたら?」
スッ
悠「どうも……ひぎゃっ!」

亘理『わっ、なに!?』

悠「めっちゃ!しみるっ!」

摩耶「アルコール除菌用のウェットティッシュだからね。」

神姫「消毒もできるし良かったじゃない」

悠「それもそうだな」

千世子「あんちんはおおざっぱなのだ。」

悠「そんな褒めるな」

冥「それより皆さん、今日はもうお帰りになった方がいいと思いますナ」

神姫「そうね。このまま雨脚が強くなったらホントに帰れなくなりそうだし」

摩耶「僕にいい考えがある。悠くんがひとりでかえって車に乗って戻ってきて皆を送っていくってのはどうだろう」

悠「だったらもう金払ってやるからそこらでタクシー拾おうぜ…」
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