ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「やっべーよ。見てくれ、とんでもないものを撮っちゃったよ」

千世子「あんちん、こっちもとんでもないことになってるのだ」

【モナリザ】
【モナリザ】
【モナリザ】

悠「なんだこれ、モナリザの絵が三枚?」

亘理『みんなモナリザさんだよ』

悠「そりゃモナリザだろ。」

モナリザ「いえ、私は……」

悠「喋った!?」

モナリザ「私は「廊下に飾られた夜に目が光るモナリザ」のモナリザです」

モナリザ『私は「美術室に飾られた血の涙を流すモナリザ」のモナリザです』

モナリザ【私は「音楽室に飾られた目が動いて視線が合うモナリザ」のモナリザです】

悠「つまり……学校の七不思議的な怪異(ひと)らか」

摩耶「らしいよ」

神姫「廊下と美術館はともかく音楽室っておかしくない?普通はバッハとかシューベルトとかベートーベンでしょ」

モナリザ(目動)【音楽準備室に放置されていまして、たまたま見つけられてからそのまま飾られたのです。そしたら、目が動くベートーベンさんと怪奇がかぶっちゃって……はぁ】

悠「うわ、もろカブリじゃん」

モナリザ(目光)「私は窓からの光が強くて焼けちゃって夏場の日中が辛くて……はぁ」

モナリザ(目血)『私はやたら高いところに飾られてて埃が酷くて……はぁ』

雨「各々違った悩みがあるのね。」

摩耶「っていうか、どうやって移動してんの?」

「『【ワープしてます】』」

悠「おい、何気にすげぇな」

モナリザ(目光)「といっても場所はここみたいに妖気が濃厚な場所限定なんですけどね。」

神姫「それで集まって愚痴ってるわけ?」

モナリザ(目動)【情報交換もかねています】

モナリザ(目血)『ここだと気兼ねしませんからね』

千世子「逆に今、警備員とか宿直の先生がモナリザがなくなってることに気がついたらちょっとした騒ぎになりそうなのだ。」

悠「それはそれで怪異としては正解なんじゃね。」

モナリザ(目血)『消えるモナリザとかいいですね。毎晩血のナミダを流すのもしんどいので』

悠「まぁ、動かすよりは血涙とか光らす方がしんどそうだわな。」

モナリザ(目動)【動かすのだって結構めんどうなんですよ?じわじわとやらないといけないし】

悠「とりあえず全員ブルーベリー摂取しとけ」
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