ー奇談ー學校へ行こう(2)5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「眠い」

摩耶「永眠?」

悠「仮眠ですわ。……誰か膝枕してくれてもいいんだよ?」

雨「死ね!」

悠「うるへー!肉付き悪い蜘蛛っ娘!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。アメジストの人気は、近世、近代になっても衰えないのだ。18世紀のヨーロッパでは、シベリア産の美しいアメジストのブームが起こり、非常に効果で取引されたのだ。また19世紀の後半にもアメジストが大流行し、多くの装飾品が作られているのだ。アメジストは人々に愛され続けてきた宝石なのだ。」

雨「コイツマジデコロシタイ」

摩耶「カタコトってる」

悠「もしおれに手を出してみろコーヒー吹きかけるぞ!」

神姫「酔わしてどうするのよ。殺虫効果ないじゃない」

摩耶「さらっと殺虫発言」

千世子「アメジストの産地はブラジルが有名ですが、ほかにもウルグアイ、南アフリカなどで産出するのだ。かつては、前述のシベリアや、フランスのオーヴェルニュ地方、ロシアのウラル地方なども有力な産出地でしたが、今では掘り尽くされてしまったのだ。日本でも、江戸時代の加賀地方でたいへん良質のアメジストが採れ、「加賀紫」と呼ばれて珍重されましたが、現在ではもう採れなくなっているのだ。」

亘理『膝枕なら私がするよ!ほらっ!ほーーらっ!』

悠「……」

亘理『なんで目線逸らすのさ!』

悠「いや、なんか呪われそうで」

亘理『失礼なっ!』

千世子「アメジストは、薄い藤色から濃い紫色まで、さまざまな色合いを持つのだ。色の濃さにむらがあったり、 緑だけが色づいていたりするものもあるのだ。また多色性があり、見る角度によって赤みや青みがかる石も存在するのだ。深い紫で、色が均一であり、透明度も高いものが最高級とされているのだ。」

神姫「呪われなくとも悪夢は見そうよね。妖怪だし」

摩耶「っていうか、ほぼ妖怪とかしかいないんだけどね。」

悠「サタンとかなら膝枕で寝ても大丈夫だろう。能天気そうだし」

サタン「……」
ゴリゴリッ
悠「後頭部に硬い突起物が刺さってる」

千世子「アメジストの色は、強い熱や光で褐色することが知られているのだ。アメジストに熱処理を加えるとまず無色透明になり、さらに熱を高めていくと黄色に変化するのだ。黄色い水晶は「シトリン(黄水晶)」と呼ばれており、トパーズのイミテーションなどとしても利用されるのだ。シリトンにはもちろん天然物もありますが、非常に希少なため、現在流通しているシリトンのほとんどはアメジストに熱処理を施したものなのだ。また、アメジストは、直射日光によっても色褪せることがあるのだ。取り扱いや保管には十分な注意が必要なのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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