ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ツナ缶って水煮の方が味濃くないかな」

摩耶「んー……そうかな?」

亘理『なんの話?』

悠「いや、ツナ缶ってあるじゃん?あれって水煮の方がなんか味濃い感じがするんだ」

亘理『ツナ缶そんなに食べないからわかんない』

悠「わがんにゃいか」

亘理『……わかんない』

悠「わがんにゃい」

摩耶「無視していいよ」

亘理『うん』

累「無視なんてよくないわ。わき腹にナイフぶっ刺してあげなよ」

悠「どこの戦場もみ合い状態だよ。そんな返事があるか」

リリス「……サイレントキルしろと?」
ジャキン

悠「だからどこの戦場だよ。後ろに回るな。爪出すな、ひっこめろ首にちょっと刺さってるからひっこめろ。」

累「押すな押すなは押せ、つまりひっこめろは?」

リリス「伸ばせ」
ジャキン!
バッ!ぐきっ!
悠「読めてた!」

千世子「今、どえらい首の動かし方したのだ」

悠「ヘンな音がしたが直撃は避けた!」

摩耶「すごい、すごい」

累「チッ」

悠「今舌打ちしただろ」

累「はい」

悠「はい、じゃないがな!」

リリス「いいえ?」

悠「そうじゃねぇ!」

摩耶「まぁ、悠くんなら動脈の一本や二本」

悠「切れたら無事じゃ済まないから」

神姫「どうでもいいけど血で汚れたりするのは嫌だからやるなら外でやって」

悠「やらない方向に話を進めていただけませんか?」

神姫「……」

摩耶「無表情でめんどくさいってオーラを醸し出してる。」

悠「そうだよな。自分の身は自分で守らないとな。」
ガシッ
リリス「なにをする!」

悠「爪キリ」
バチン!バチンッ!
リリス「やめろー!!」

摩耶「魔族の爪って普通の爪キリで切れるんだね。」

千世子「あんな勢いよく切ってるの見てる方が怖いのだ」

リリス「しくしく、しくしく」

悠「深爪にしなかっただけありがたく思え!」

千世子「聞いてるだけで痛いからやめるのだ!」

摩耶「深爪はよくないよ?ある程度伸ばして尖らせないと突き刺さらないし」

亘理『そこ?!』

神姫「まぁ、爪は普通に武器になるからね。」

リリス「私の武器が切られた!」

累「……」
ガサガサ

摩耶「なにしてるの?」

累「この爪集めといたら悪魔の生爪って名目でメフィストの野郎に売れるんじゃないかと思って」

悠「でも、本人も悪魔だぞ」

累「女の悪魔って所がポイント」

リリス「私の身体の一部だったもので商売しないでよ」