ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「廊下にデカいネズミがいたぞ」

摩耶「どのぐらい?」

悠「……カピバラぐらい?」

亘理『カピバラ?』

神姫「世界最大のネズミ。オスで大きさは103㎝~134の重さは35キロ~64ぐらいかしら」

亘理『でっか!』

千世子「それはカピバラだったんじゃないのだ?」

悠「まさか、半妖怪化してるネズミだろ」

摩耶「それはそれで問題だと思うけど」

悠「まぁ、人の気配をさっして一目散に逃げていったし害はないだろ。」

神姫「ねずみがウロウロしてる時点で衛生面では問題あると思うけどね。」

亘理『そうだよ。天井裏とか走られて私の足とか齧られたら嫌だよ!』

悠「ははははっ!」

亘理『なんで笑ってんの!』

悠「いや、笑うところかなって」

亘理『違います!!』

摩耶「でも、ネズミなら冥ちゃんがどうにかするんじゃない?」

悠「猫だもんな」

冥「呼びましたかナ?」

悠「ああ、ちょうどよかった。さっき廊下にカピバラサイズのネズミがいたんだけど」

冥「それは美味し……狩りごたえがありそうですナ」

悠「今美味しそうって」

冥「ぐぶぐぶぶ」

悠「やだ、喉鳴らして誤魔化された。可愛い。」

亘理『ングッ、ンググッ!』

神姫「いや、鳴らそうとしても無理でしょ」

摩耶「溺れてるみたいになってる」

亘理『ぜえはぁぜえはぁ…』

冥「それはさておき、皆さん小腹は好きませんかナ?」

悠「ネズミはちょっと」

冥「ちがいますナ。焼きとりですナ。」

摩耶「焼き鳥?」

冥「鶏肉が安かったのでいっぱい買っていっぱい焼いてますナ」

悠「たべりゅー!」

神姫「……」
ゲシッ!
悠「痛い!なんで!?」

神姫「シンプルにイラッとした」

摩耶「世が世なら磔獄門だったね。」

悠「マジかよ。群雄割拠に生き残れねぇ。」

冥「それで持ってきていいですナ?」

悠「アッハイ。どんどん持ってきてくださいナ」

亘理『あ、ネズミは?』

冥「大丈夫、大丈夫。すぐにいなくなりますナ。じゅるり。」
トタタッ

摩耶「小走りでいっちゃったね。」

悠「冥ちゃんの野生を垣間見た」

神姫「野生っていうか本能?」

摩耶「狩るものと狩られるのも」

悠「おれもなー、狩るものになー、なりてぇよなー。」

神姫「寝言は寝ていいなさい。」
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