ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「暑くない?」

摩耶「クラッとする程度には暑いね。」

亘理『クラッとしたらマズくない?!』

摩耶「僕、身体弱いからね。」

悠「暑さの危険水域は真桜が冷蔵庫に入ろうとし出してからだ。」

神姫「もう就寝用の冷蔵庫買ってあげなさいよ。」

悠「世界にはいるらしいけどな、美を保つために冷蔵庫で寝る女が」

【ガーネット】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。ガーネットは世界各地で産出される、たいへん歴史の古い宝石なのだ。和名はざくろ石。ガーネットという名前の語源は、ラテン語で「種子」を意味する「granatus」といわれているのだ。」

サタン「暑い寒い言ってるうちはまだまだなのだ。灼熱も零度も平気になってこそ魔王なのだ。」

悠「でも、お前のその耐性ってオーラ的なのを常時纏ってるからじゃん」

サタン「何がいけないのだ」

悠「……」

サタン「なーにーがーいけないのだ!!」

千世子「原石のガーネットは、斜方十二面体という非常に整った形をしており、そのためカッティング技術のない古代から、美しい石として、あるいは護符として珍重されてきたのだ。宝石の元祖とも呼ばれており、1月の誕生石に制定されたのもそういう背景があったからこそなのだ。」

悠「めっちゃキレられた」

摩耶「まぁ、自分の能力で耐性をつけてるわけだし悪いことではないよね。」

神姫「自分だって冬はあらゆる手を使って寒さに備えるじゃない」

悠「じゃないと死んじゃう」

神姫「ふーん。そりゃ、たいへんね。」

悠「……」

千世子「ガーネットというと一般的には赤い色の宝石と思われていますが、実際には黄色や緑など、様々な色のガーネットが存在するのだ。実は「ガーネット」とは、特定の宝石の名称ではなく、いくつもの硝酸塩鉱物のグループ全体を指す名前なのだ。鉱物に含まれる金属によって、色が変化するというわけなのだ。」

摩耶「まるで興味なし」

悠「なんだろう、気温は高いのに心は冷え冷え」

亘理『私が暖めるよ!』

悠「結構です」

亘理『なんでやねん!』

千世子「ほとんどのガーネットは7か7.5の硬度をもっており、頑丈で傷つきにくいため、日常的に身につけるアクセサリーとして最適とされているのだ。また、高い屈折率による強い輝きも、この宝石の大きな特徴といえるのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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