ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ついに天気が崩れたなぁ」

神姫「しばらくは曇りマークが続いてるけど、どこまで信用できるのかしらね。」

亘理『雨だーって叫ばないの?』

悠「ハラハラとしか降ってないからなぁ。それと、あきた」

雨「飽きたってなんだ飽きたって!」

悠「青森とか岩手が近くにあって県花がフキノトウで…」

雨「それは秋田だっ!」

悠「秋田だろうが」

神姫「アホみたいな会話やめなさいよ」

悠「まったくだ!」

千世子「あんちんのことなのだ。」

メフィスト「ンーフフッ。ハーイ!」

悠「出たぞーー!出たぞぉぉぉ!」

メフィスト「人のことを化け物か何かみたいに言わないデください」

悠「化け物みたいなもんだろ」

メフィスト「そんなことより、これを見てくださーい」

悠「無視しやがった」

サタン「また変なものもってきたのだ?」

メフィスト「貴重なコレクションDEATH!」

摩耶「まぁ、見せびらかしに来たってことだよね。」

メフィスト「イエア!」

悠「それで今回は箱か?」

メフィスト「大事なのは箱の中身デス。見て驚きマスよ!」
パカッ、しゅるる、パカッ、カチッ、パカッ、カシャン、パカッ……

悠「箱の中から箱がでて、さらに箱が出てくるってコントかなんかかな?」

メフィスト「これだけ厳重にしておかないとダメなのデース。」

神姫「というか、そんな厳重に収めてるものを出していいわけ?」

メフィスト「ンーフフ、特別DEATHよぉ～」

神姫「頼んでないんだけど…」

メフィスト「ええと、解呪に、結界糸はこう解いて……」

悠「いやいや、ちょっと待て何出す気だよ」

メフィスト「よしっ!これデス!」
ババーンッ!

「「「……」」」

千世子「小さなガラスケースに入った……針なのだ?」

メフィスト「Yes!」

悠「……何の針だ」

メフィスト「これは彼のスリーピングビューティーが100年間眠り続ける原因となった紡ぎ車の針なのデース。」

亘理『スリーピングビューティー?』

悠「眠れる森の美女だよ。」

摩耶「って、確かアレだよね。おとぎ話で王と王妃に娘が生まれて祝いの席に魔法使いを12人呼んだけど、ホントは13人いて、13番目がキレて王女は15歳になると、紡ぎ車の錘が指に刺さって死ぬという呪いをかけるけど、12番目の魔法使いが呪いを解くのは無理だけど弱めることはできるって「死ぬ」から「100年眠る」に変えて……って話だよね」

メフィスト「そうデス。その針に魔女の呪(まじな)いと呪(のろ)いがかかり合っていて未だに刺さったら「100年の眠りにつく針」として存在しているのデース。」