ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/4/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「喧嘩神の護符どこかにないかなぁ」

摩耶「装備したら常にヒートゲージ最大だね」

花描「破れた怪しげな紙なら神社にいっぱいあるぞ」
悠「それ高確率に呪われるよな…」

千世子「あんちんが呪われるまえにじゅぎょーなのだ」

【サークレット】
精神に働きかけて魔力がUP

神姫「血染めのサラシとかのが良いのよね」

悠「おれの装備はバッド装備ばっかりかい」

千世子「頭に冠る装飾品を一般に「ティアラ」と呼ぶのだ。「サークレット」はそのティアラの一種なのだ。英語で「circlet」と書くことから想像できるように、単純な円形で頭を一周するような形をした冠がサークレットとなるのだ。」

悠「サークレットじゃないが鉄の輪ならあるぞ」

摩耶「それ頭につけて念仏唱えられたら締め付けられるんじゃない」

神姫「孫悟空?」

千世子「なお、あまりに装飾が派手だと、サークレットではなくクラウン(王冠)になってしまうのだ。本来はサークレットも王冠の一瞬とされていたので、厳密には装飾が派手だろうがシンプルだろうがサークレットと呼んでも間違いではないのだ。」

悠「じゃあ鎖を巻いててもサークレットか」

花描「それはもう別もんだろ。」

千世子「けど、小説やゲームの世界で「頭に装着するタイプのアイテム」が登場する場合は、それなりに実用性がある形でないとサークレットとは呼ばないようなのだ。」

悠「なら、鎖に…」

神姫「鎖から離れなさいよ。」

摩耶「なにを拘ってるのかがわからないね。」

千世子「歴史的に見ると「魔法の力を持つサークレット」といったアイテムはほとんど存在しないといっていいのだ。」

神姫「それはなんで?」

千世子「そもそも、ゲームの世界にありがちな「サークレットをつけると魔力つまり精神力が向上する」という発想は、近代以降のものなのだ。「精神の本質は脳にある。だから魔術的な力を秘めたサークレットを頭につければ、その人自身の魔力も上がる」という理屈なのだ。」

悠「じゃあ、鎖なら…」

神姫「ネタがないの?それとも頭が腐ってるの?」

悠「鎖なだけに?」

神姫「……」

パァン!

摩耶「うわぁ、いい音」

悠「頬いたい…」

花描「お~、見事な手形だな。」

千世子「ところが、つい最近までは、「こころや精神は心臓にある」と世界中で考えられていたのだ。心臓(こころ)からかけはなれた場所にある「頭」に、わざわざ魔法の装飾品を付ける。そんな発想自体がなかったのだ。実際の歴史上に「魔法のサークレット」がほとんど存在しない理由は、ここにあるのだ。」

悠「そういえば小説とかにも魔法のサークレットとかは出てくる話しはすくないな。ロードス島戦記には出てきたけど」
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